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コードギアス 反逆のルルーシュ R2

というわけで、ルルーシュ R2 のインプレを軽くざくっと書いてみたり。えと、思いっきり最終回のネタバレが含まれていますので、まだ見てない人は軽くスルーしてください。

いやはやなんというか、振り返ってみれば恐ろしいまでに伏線が張られまくっているのですが(っつーかゼロ・レクイエムとかそのまんまじゃないか、みたいな(苦笑))、半面、急転直下の怒涛の展開による力押しで視聴者の思考力を削ぎ落とし、テーマを意図的にぼかしてきた感もありますね。最後まで全部見るとパズルのピースが恐ろしいまでに噛み合うというのは見事ではあるんですが、半面、「くそーやられたorz」みたいなところも。実に見事なゼロ・リセット的な終劇でした。

でもって、この作品って結局のところ、ディスコミュニケーション世代に送る毒入りポイズンメッセージ、なんじゃないかと思うんですよ。もっとわかりやすく書くと、「世界はあなたの思った通りになんてならない」、と。

どういうことかというと、ルルーシュは、世界中の人々の悪意を一身に受けた上でスザクの手に殺められることによって、結果的に世界(他人)を動かしている。それは一見すると、ギアスを使わずに他人を結果的に思い通りに動かした(=世界を自分の思うように作り替えた)ことのように見える。けれども、それは果たして本当にルルーシュが願い、望んだ世界だったのか? というのがミソ。

ルルーシュはナナリーが平和に幸せに過ごせる世界を願って世界に変革をもたらそうとしたわけですが、そもそもこのゼロ・レクイエムを計画したのはそのナナリーが死んだと思い込んだから。ナナリーのためならなんでもするルルーシュが、ナナリーを失って目指した先は、世界の人々の平和(人々の未来を紡ぐ)という大義名分だったのですが、それはぶっちゃけルルーシュにとっての現実逃避の先でしかない。ところがいざナナリーが実は生きていたという現実を突きつけられたときには、彼は重ねてきた罪によって、戻るべき退路を断たれていた。結果として、彼は大義に生きるしかなくなってしまった、のですよね。そしてその結末は、自らの命を絶つことで世界の変革を図る、というゼロ・レクイエム。それは彼が当然の報いとして受けるべき罰ではあるけれども、結局、そのことはナナリーを悲しませるという最悪の結果にしかならなかった

そしてその結末に至ったすべての原因はどこにあるのかというと、ルルーシュは基本的に人の話を聞かず、他人の想いも理解せず、自分勝手な解釈と思い込みだけで行動する、というところにあるんですね。例えば、#21 でシャルルと対峙したルルーシュは、ナナリーの言う優しい世界について必死になって全力で訴えかける。けれどもそれは本当にナナリーの一番の願いだったのか? あるいは #25 ではギアスに屈することはないと言い切るナナリーを見て、ナナリーはもう立派に自分の考えで生きていける、と自分勝手な解釈をする。けれどもそれは、自分の行動を正当化するための言い訳ではないのか? 彼は、あらゆる自分の解釈を、大義名分という言い訳で塗り固めて正当化していくんですよね。(ナナリーと対峙したルルーシュが重ねる自分勝手な理屈が実に見事。)

「いつ、私がそんなことを頼みましたか!
私は、おにいさまと二人で暮らせればそれだけでよかったのに!

結局ルルーシュは、思い通りにならない周囲の世界に我慢できず、周囲の世界を思い通りにしようとする。けれどもそれによってすべての物を失った。彼は「世界の平和」という、彼が勝手に思い込んだナナリーの願う世界を手に入れたように見えて、その実、「二人で暮らしていく」という、本当にナナリーが願っていた世界を手に入れることができなかったんですよね。それは二人の絶望的なまでの断絶、と言えるんじゃないか、と。

# や、私から見ると、結局ルルーシュ君って、ある意味ホントにつまんないヤツだなぁ、と思うのですよね。
愛する女性を悲しませてまで大義名分に逃避する男なんて、ろくなもんじゃないのですよ(苦笑)。

世界が自分の思い通りにはならないということ。それはごく当たり前のことですが、コミュニケーションをうまく取ることができず、世界との距離感をうまく調整できないルルーシュのような人間が力を持てば、必然的に孤独になっていくしかない。ギアスという力は世界の当たり前の摂理に反する力。そのラストが彼の死であるというのは、なんとも象徴的な結末。一見すると世界を自分の思う通りに作り変えたかのように見えて、その実は彼の壮絶な勘違いによる強烈なまでのバッドエンド。結局、彼は仮面を被り続けることでしか自我を維持できなかった、というあたりがなんとも悲しく、そして凄まじい毒入り作品だった、と思います。

……にしてもまあそんなことはさておき、一言言わせてくださいよ。
名塚さん萌え。ホントに超萌え。(笑)

くそー、ナナリーどんだけかわいけりゃ気が済むんだ、という感じ。 最後にナナリーがルルーシュに触れて事の真相を知るのは制作者としての最後の良心なのですが(設定上は理解できる裏付けがないため)、名塚さんの熱演には心動かされるものがありました。Canvas 2 の名塚さんもびっくりするような名演技でしたが、コードギアスでも見事な演技でした。だぁ!^3 を見てたときにはこんなすごい声優さんになるとはホント想像もしてなかったんですけどねぇ。

# と、あと千羽さんが描くナナリーが凶悪なまでにかわいすぎるのですがっっ。(笑)
# ラストはちょっとびっくりするぐらい凄い作画ですね。マリーベルの時代からこの画力は凄いと思ってましたが^^。

なんにしても、総じて言えばやはり面白いアニメであったことは確か。谷口氏をはじめとするスタッフ陣はやはりさすがだなぁと唸らされますね。次回作にもぜひ期待したいところです。


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