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Cirque Du Soleil - ZED 東京トライアウト公演 @ TDR

というわけで今日はうまく仕事が狭間になったので、夏休みの残り一日を使ってお休み取得。……といっても結局、家でお仕事関係の blog エントリずっと書いてたので、まあ仕事してたといえば仕事してたわけですが;、夕方からはこちらに行ってきたり~。

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ええっと、ZED の東京トライアウト公演に実家のみんなと一緒に行ってきてみたり^^。

ZED というのは、カナダのサーカス集団シルク・ドゥ・ソレイユが東京ディズニーリゾートでやっているステージショー。もともとシルクはラスベガスなどを中心とした活動をしていて、数年前に実家 4 人でラスベガスに遊びに行ったときに見に行ってきたのですが、それ以来、事あるごとに見に行くようになっていたりします。東京でもこれまで QUIDAM や ALEGRIA、DRALION などを原宿で公演してきたので見に行ってきたのですが、残念ながらこれらはいずれもツアーショー(つまりサーカス用仮設テントで開催されるショー)。そのため、どうしても舞台装置などに限界があったんですよね。で、2005 年に東京ディズニーリゾートの一角にシルク・ドゥ・ソレイユのレジデントショー(常設ステージによるショー)ができるというニュースが飛んで、当時からこの日が来るのを首をなが~くして待ち望んでいたのですが、ついにそれがお目見えした! という次第。

もっとも、正式な ZED の開演は 10/1 で、今回はそのお試し版としての開催。一般にこうしたショーでは、本番公開に先駆けて 1 か月ほど前から実地テストを行って、観客の反応を見ながら舞台構成や演目を変えたりするらしい(なのでお値段も気持ち安くなっていたりする)。今回はチケ取りで出遅れたこともあって家族 4 人の席はバラバラ。まあ、みんなで見るのが目的というよりも全力で楽しむのが目的になってるのでバラバラでもいいよ、という話でチケ取りしてもらったのですが。

これがとんでもない神席www。
ってか 2 列目ほぼ中央ど真ん中じゃないですか;;。

いやもう思いっきりかぶりつきモードで食い入るように見てしまったのですが、肝心のステージそのものはどうだったのかというと。

ハイロープ(綱渡り)がとにかく神すぎる。
というかアーティストの渾身の演技に思わず泣きそうに。よもや演目でここまで感動させられるとは……。

いやもうとにかくこれは興味があるなら是が非でも見て欲しい、としか言いようがないのですが、とりあえずざくっとまとめてみたり。ちなみにかなりネタバレ入っているので、見に行くつもりがあるのであれば極力読まずに行くことをお勧めします

■ バックストーリー

ざくっとまとめてみると、こんな感じ。

天と地の狭間で宙釣りになっている謎に満ちた世界をさまよう、主人公 Zed。彼はこの世界で、偉大なる女神やシャーマン、スフィンクスといった躍動感に満ちた様々なキャラクターたちに遭遇する。全身白の衣装を身にまとった、ピエロにも似たこの主人公は、様々な事物に興味を持ち、様々な経験を重ねて成長していく。そして彼の成長と同時に、彼が生きた天と地という二つの世界が、Zed を通じて再び一つに結ばれていく。

ちなみに物語の主人公 Zed は、作品内での観客。つまり観客が物語に吸い込まれて、そこで不思議な物語を体験する、というのが基本的なストーリーラインになっています。

ZED はシルク・ドゥ・ソレイユのステージショーの中でもストーリー性の強い作品と言われていますが、実際に物語が語られるというわけでもないし、セリフも歌詞も全部想像上の言葉なので、あくまでもイメージとしてそれらが伝えられていくという形になってます。(が、そんなにはっきりとストーリーが前面に押し出されているわけではないので、アクロバットサーカスがバックストーリーにより綺麗に演出されている、と割り切って見た方が楽しめるかもしれません。)

■ ステージセット

銅と真鍮でできたアストロラーベ(天体観測儀)を中心に据えたステージ構成なのですが、これがとんでもなく素晴らしい。大きな仕掛けとしては、中盤のハイロープ(綱渡り)と最後のフライングトラピス(空中ブランコ)の 2 つが仕込まれていますが、常設ステージとして見た場合はどちらも割と地味。素晴らしかったのはこのステージセットの使い方。天球の内側にいるかのような錯覚を覚えさせるステージセットは、時として宇宙となり、時として閉鎖空間となり、時として空になる。

加えて素晴らしかったのが、ステージ内に流れている BGM。入場時間になり、入口の賑やかな喧噪を離れてステージ内に入ると、世界が一転。まるでこれから生まれる世界を待ちわびる、胎動する球体の中にいるような錯覚を覚えるような感じになっていて、ショーの開始前から「飲み込まれる」。(惜しむらくは間にある休憩時間で、この時間帯に外に出ちゃうと思いっきり現実に引き戻された感があって激しく悲しい;。)

最初に見たときには、いわゆる "O" のような常設ステージならではのハデさがない(割と地味なデザイン)だと思ったのですが、ショーが進むにつれて全く印象が変わってきて、このショーではこのステージセットしかない!と思わせてくれるようなものになっていました。いやはや素晴らしい。

■ 演目

書き出してみると、たぶん全部で 11 演目。まだこなれていないものもあって、出来不出来のバラつきや演技ミスなども結構ありました。ざくっとメモ書きがてら書き出してみたり。

① バンジー

中央に宙づりの歌姫を配しつつ、周囲を 4 人のアーティストたちが空中ブランコによる演技で彩を添える、というものなのですが、とにかく空中ブランコが美しい。空中ブランコにバンジーロープを取り付けて、ブランコから飛び降りてバンジーするという演出で、観客席までせり出てきたり、あるいはまるで空中を泳いでいるような演技を見せてくれました。まるで泳ぐ人魚かのような動きに思いっきり見入ってしまったり。

② ラッソ(投げ縄ループ)

中国系アーティストたちによるちょっと面白い演技で、投げ縄でループを作り、これをリボンのようにくるくると回し、そのループをくぐったりしていくというもの。大人数で舞台を縦横無尽に使って、自分でくぐったり、他のアーティストがバック転をしながらループをくぐり抜けていったりする、という演出はダイナミックで爽快感がありました。(これは何回かミスがありましたね)

③ ポール&トランポリン

ステージに、正方形型に 4 本のポールを立てるとともにその中央にトランポリンを配し、トランポリンで跳ねながら 4 本のポールを縦横無尽に駆け巡る、という演目。ポールだけ使った演目であれば目新しさはないですが、トランポリンをうまく使って 4 人のアーティストが入れ替わり立ち替わり動き回るという構成。ただ、パフォーマンスとしては割と地味な印象で、もうひとひねりあるとよかったかなー、という感じ。

④ エアリアルシルク

シルクの定番演目で、空中からつりさげられた布に自分の体を巻きつけて、空を飛ぶような演技をするというもの。目新しさに欠けるのと、動き自体にしなやかさがない感じがして、個人的にはちょっとイマイチでした。

⑤ ハイワイヤー(綱渡り)

今回の ZED での最大最強の神演目。かなりの高さに張られたロープの上で、男性 2 人と女性 1 人が演じるのですが、カレイドスターさながらの驚愕の演技のほぼすべてを命綱なしで演じきるという偉業にはとにかく開いた口が塞がりません。これはとにかくモノを見て驚愕して欲しいので一応反転しておきます。

ロープの上で障害物を避けながら歩くばかりか、ロープの上に寝転がった別の演者の上を歩いてみせたりジャンプして飛び越えて見せたり。さらにはロープの上で高速なわとびをやってみせるなど、人間離れしたとてつもない演技の数々に、文字通り言葉を失ってしまったり。今まで数々のシルクの演技を見てきた自分ですが、正直これはありえないとしか言いようがなくて、最後には綱の上でバック転を決めてみせる(このときだけは命綱つけてました)など、人間離れした技の数々をテンポよく見せつけてくれたのは本当にびっくり。感動を超える感動を次々と見せてくれた感があって、まさに心を揺さぶられる素晴らしい演技でした。この演技を見るためだけに ZED を見に行ってもいい、と思わせてくれるに足る演目だったと思います。

⑥ ジャグリング

ステージ上にかなりの人数の演者が現れて、縦横無尽にバトンを投げ合い、後半は照明をやや落として炎のついたバトンを投げ合うという魅せる演目に。この手のステージショーでは定番の演目ではありますが、かなりの人数のプレイヤーがミスひとつなくとんでもないスピード感じでバトンを投げ合う様はやはり魅せられるものがありますね。ちなみにこの後で 30 分間の休憩。

⑦ バンキン(組体操)

ロシアチームによる組体操。演技自体は凄いのですが、割と動きもゆっくりになるので演技としては地味。ただ、最後の 4 段の直立ピラミッドは一見の価値あり。

⑧ エアリアルストラップ(二人組空中ロープ)

天と地を模した二人の女性が二本のロープを使って空中を美しく舞う、という演目。主人公 Zed との絡みもあるストーリー性ある演目でしたが、アクロバティックな演技としてはちょっと地味。割とまったり見ていられる感じの演目ですね。

⑨ バトントワリング

バトントワリング世界選手権・男子個人シニア部門で前人未到の 11 年連続優勝を果たした稲垣正司さんによるバトン・トワリングの演目。今回の ZED 唯一の日本人出演者で、短いながらもソロの演目になってました。3 本のバトンを高速に回転させまくるというもので、ジャグリング顔負けのバトントワリングは見事。残念ながら途中でミスっちゃったのが惜しかったのですが、ぜひこれからもがんばってほしいところです。

⑩ ハンドトゥハンド

シルクの定番演目の一つにハンドバランスと呼ばれるものがあるのですが(手だけでバランスを取って、とても人間とは思えないような姿勢を取りながら安定させるというもの)、これはその二人版。ステージ上で待ち構える筋肉系の男性のもとへ女性が空からゆっくりと降りてきて、手と手を取り合って、二人ひと組となって様々な形でバランスを取る、というもの。中でも凄かったのが、男性が右腕一本で女性を胸の高さあたりに釣りながら、女性が完全に水平を取るというもので、いったいこの人どれだけ筋力あるんだろう、と思わずにはいられなかったです。ストーリー演出的にも見栄えがよく、二人の手がつながる瞬間の照明効果などはなかなかよかったです。

⑪ フライングトラピス(空中ブランコ)

中央天井に取り付けられた装置を展開して作られる空中ブランコの演技。前後 2 チームに分かれて空中ブランコのショーが繰り広げられるのですが、ラストを飾るダイナミックな演目としてはちょっと残念な出来;。ひとつひとつのトラピスの演技は素晴らしいのですが、とにかくテンポが悪く、ひとつひとつの演技に時間がかかってしまって感動がどんどん冷めていく。大人数がセット上に登っているのにそれをほとんど生かせていないような印象がありました。後半は観客による手拍子つきで結構盛り上がってきたのですが、そこにうまく誘導しきれなかった感があって、本公演までにどのように fix してくるのか興味深いところ。

総じて言えば、前半戦によい演目が集中していて(ハイワイヤー、ラッソ、ジャグリングが今回の 3 大見どころ)、後半戦は(演出面はともかく演技としては)割と地味に収束した感がありました。前半戦の盛り上がりに比べると、という印象がありましたが、それを差し引いても感動させてくれたのが...

■ クラウンによるオープニングとエンディング

これでしょうね。今回の ZED でとにかくよかったのはショーの in と out の部分。強烈なネタバレになりますのでこれも反転しておきますが、ZED という本に吸い込まれ、そこで不思議な体験をして現実世界に戻ってくる、という物語は極めてベタだけど非常にわかりやすいし、加えてとにかく演出が素晴らしくて引き込まれるものがあるんですよね。「あっ」と思わせるあのオープニングといい、ステージの締めくくり方といい、とにかく物語を感じさせてくれる演出がよかったです。

■ まとめてみると。

というわけでいろいろと思いつくままに書きだしてみたのですが、総じて言えば

素晴らしすぎる。
いやもうその一言に尽きるか、と。

実は私はラスベガスの "O" のことをよく覚えていないということもあるのですが(なにしろ最初にわけも分からず見たショーなので;)、ZED はこれまで見てきた QUIDAM、ALEGRIA、DRALION などを圧倒するような素晴らしい出来で、自分的にはシルクの No.1 ショー、そしてまたもう一度見に行きたい、と思わせてくれるステージだったんですよ。それは個々の演目やストーリー構成などの素晴らしさもあるし、あるいは常設ステージショーならではのきちんとしたセットの凄さというのもある。……のですが、それ以上に大きかったのは、ステージ構成や演出が日本人の肌感覚にとてつもなくマッチしている、という点。今回のステージには、様々なところに日本や東洋文化を思わせる演出や美術が盛り込まれているのですが、それらがいわゆる「西洋人が考える(間違った)日本のイメージ」ではなく、「日本人が考える日本のイメージ」に近いものになってるんですよね。そしてそうした肌感覚の近さもあってか、ステージを見ていると、とにかく染み入ってくるような感動があるんですよ。

ステージショーが終了したあと、思わず客席全体が立ちあがってスタンディングオベーションになったのですが、これだけの内容とあればそうしたくなるのも無理はない。過去に開催されたツアーショーではこうしたスタンディングオベーションを見たことがなかったのですが、自然と立ち上がって拍手を送りたくなる、そういうステージだったと思います。

今回はステージに近かったのでとにかく迫力はあったものの、一方でステージ全体の様子が分からなかったというのもあるので、今度はレギュラー席などの後ろの席で見てみたいと思ったり。いずれにしてもまた見に行きたい、と思わせてくれるに足る見事なステージでした。いや~、素晴らしかったです。

# ちなみに帰りがけに父親に車回してもらって西友に立ち寄ったのは秘密だw。
# ってか thx でしたよ~。とりあえず週末の食糧は確保しましたよ、ええ^^。


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「ZED(ゼッド)」鑑賞しました。良かった〜! 「ZED」は、シルク・ドゥ・ソレイユの日本オリジナルの最新ショーです。 2008年9月30日(火)19... 続きを読む


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