わかっちゃいるけど、やめられない。
だからあたしは、ダメ人間。
というわけで、今日はこちらのインプレを一つ。
先日のコミケで発刊された、眠杜文庫さんの新刊、XX。(ダメダメ。) 自分には隠れた才能があるはずと、何の根拠もない自信を胸にして親の仕送りで暮らすダメダメニート娘、夏井夏帆 22 歳の物語……なのですが。
これがめっちゃいいw。
のですよ^^。
ストーリーライン的にはある意味非常に分かりやすくて、自分のダメさも分かっていて、それでいながらそれを受け入れることもできなくて、他人を見下すことでなんとか自分を保っている夏帆。そんな夏帆は、自分の家に転がり込んできた正体不明のダメっ娘であるミリの世話を焼くわけですが、これも結局のところはミリに対する精神的な優位性を保つことによって自分を維持している、というもの。ところが、仕送りを送ってくれていた実家が倒産で崩壊し、さらにミリが実は隠れた才能を持っていた、という現実を見せつけられて、彼女は初めて、何もできない自分の本当の情けなさと向き合うことになるんですね。
自己嫌悪ってのは、こんな気分の時に使う言葉なんだろうな…。
結局ダメダメなのはあたしだけだったんだ…。
…認めてほしかった。
口では世界はあたしを中心に回ってるなんて言いながら、本当は誰にも必要とされてない自分に気付いてた。
彼女が世界に求めているものは、自分の存在を認めてくれる愛情。けれども自分から何かを与えない限り、自分が他者から必要とされることなんてあり得ない。そのことに気付いていく、いわば存在肯定の物語なのですが、それを少女恋愛に絡めて物語作りしていく小山たまきさんのストーリーはいつもながらさすが、という印象。や、何十回と語られたごくありふれた物語ですが、それゆえにイイと感じるわけですよ^^。
いつもと同じ、薄目のちょい軽めな物語ですが、興味がある方はぜひ読んでみてください^^。
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