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ジェネラル・ルージュの凱旋

やがて、佐藤がぽつりと言った。
「……バックれます。」

というわけで今日はこちらのインプレをひとつ。

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えーと、海堂氏のシリーズ4作目、ジェネラル・ルージュの凱旋。文庫の帯にシリーズ最高傑作と書かれていて、また無責任にあおってるなぁ……などと思いきや、これが確かに凄い^^。確かにこれは 1 作目と同レベル、あるいはそれより上かもなー、と思わせてくれる一作ですね。

内容としては、ICU などをはじめとする救急医療を取り扱った物語。救急医療はとにかく儲からない、けれども人命を救うためには絶対に必要。経済原理に従えばあっという間に崩れ去る救急医療の現場を、類稀なる倫理感と責任感で支え、命を救い続けるジェネラル・ルージュこと主人公・速水部長。彼にかかった収賄疑惑を晴らすために田口が動く、という物語なのですが、素晴らしいのはその物語の展開。特にエシックスコミティ(倫理委員会)という名を盾に取った沼田を強靭なロジックで粉砕していく速水の様子は実にすがすがしい思いすらするわけですが^^、それにもまして素晴らしかったのが終劇。ネタバレになるので詳細は伏せますが、背負うっていうのはそういうことだということを見事な筆致で描き切ったのはホントに素晴らしい。強靭な倫理感と責任感を見せつけてくれたあたりは思わず舌を巻きました。

にしてもこの作品、時系列的には螺鈿迷宮やナイチンゲールの沈黙などと絡む物語になってるあたりはかなりびっくり。実は物語自体が、ナイチンゲールの沈黙の side-B 的なストーリーになっていて、最初に読み始めたときは「あれ? これ読んだことなかったっけか^^」と一瞬疑ってしまったほど。よく出来てます^^。

残すところは最新刊のイノセントゲリラだけなんですが、まあこれもいずれ単行本で出るかな?^^ ということでちょっと待つことにしようと思います。


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