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MOMO 週末庭園へようこそ

「そうですね、バカですねぇ。
普通は飛びこまないんです。飛び込めなくていいんです。
『普通』の人間ならね。
ただ……救世主としては致命的な気がしますが。」

というわけで今日はこちらの書評をひとつ。

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りぼんマスコットコミックスで連載されている、酒井まゆさんの “MOMO” という作品。表紙に惹かれて 1 冊目を購入しておいたのですが、読んでみたらこれがなかなかの良作じゃないですか^^。

おおまかなストーリーは、主人公である小田切 夢は、ちょっぴりついていない女の子。「いっそ地球なんて滅びちゃえばいいのに」と軽い気持ちで思っていたら、彼女の元に、「大魔王」ことモモが現れる。見かけこそコケティッシュで人畜無害そうな少女モモだけど、その実態は、数々の星を壊して宇宙のバランスを保っている「スターブレイカー」。2 年間以内に、モモを 7 回喜ばせることができなければ、その星は残す価値がない星として破壊されてしまう運命に。かくして地球の命運は、16 歳の少女 夢に託されることになったのだった……という、超荒唐無稽としか言いようがないストーリーライン(笑)。

がしかし、これが実に素晴らしい作品なのですよ^^。

「モモに付いてたくさんの星を回ってきたけど、
まずその星に生命がいるかどうか、
地表から空が見える状態かどうか、
生物がいたとして、空に浮かぶ星を確認できる形態であるか、
確認できたとして、星に興味を持ち、
名前をつけたり物語を作ったりする術を持つ知的レベルであるかどうか。
そのすべての条件が揃うのは、奇跡だ。」

荒唐無稽なストーリーラインの元で展開されるのは、身の回りにある「ごく当たり前の幸せ」に気付けるかどうか、という物語。モモは、なんでもないただのケーキに喜ぶのですが、そんな我々にとっての当たり前が、実はかけがえのないものであるということを、視点を変えることによって気付かせてくれる物語になっているのですね。つまり、荒唐無稽なストーリーでありながらも、帰着点はごく当たり前の日常、というあたりがこの作品の良いところ。いやはやなかなかにいい作品じゃないですか^^。

# ちなみにこの作品、りぼんの Official サイトでちょっとしたコミックの Preview を
音声つきで流しているのですが、モモの声優さんはゆかりんです(ぉ。
# 私が気付いたのは後からなんですけどね;。きっとでじくま氏はチェキ済みでしょう^^。

作者の酒井まゆさんは、なにかといろいろ Web を賑わす有名人さんっぽいですが^^、作品の方の出来はしっかりしているなぁと感心。読み口は軽いけれどもなかなかいい作品なので、興味がある方は読んでみてください。


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