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アラタ カンガタリ ~革物語~

いや~、この作品は完全にノーチェックだったのですが。

20090920f

少年サンデーで連載されている、アラタカンガタリ(革物語)。この作品、ふしぎ遊戯の作者である渡瀬悠宇さんの最新作なのですが、店頭で 1 冊目を見たときにちょっと惹かれてとりあえず購入しておいたのですよね。で、なんか面倒くさくて今までまったく読んでなかったのですが、積まれた本を片付けていく途中で読んでみたらずるずると惹かれる惹かれる^^。いやはやこれ、とんでもない良作じゃないですか。

# というわけで、現在発刊中の vol.4 まで購入して一気読み^^。

作品の概要はというと、秘女王殺しの罪を着せられてしまった異世界のアラタと、イジメを受けて行き場を失っていた現代世界の革(あらた)とが入れ替わってしまう、という物語。異世界に飛ばされた革(あらた)は、その世界を新たに作り直す「創世」(つくよ)と呼ばれる劍神(ハヤガミ、神剣)に認められ、秘女王から国の未来を託されることに。そして 12 の神鞘(しんしょう)たちを束ねていく……というストーリーライン。構成上、非常に面白いのは、異世界と現代世界とで人が入れ替わったという設定をうまく生かしているところと、この二つの世界の物語が並行で進んでいくというポイント。なるほどこれはうまく考えたなぁ、という印象……なのですが、それ以上に素晴らしいがなんといってもテーマ性の部分でしょう。

「……ざけるなァァッ!!
そうやって人の心試してきたのか!!
こいつらはてめえのオモチャじゃねぇんだぞ!!」

アラタカンガタリをひとことでまとめるのなら、人の心の痛みに共感し、そして人を信じる物語。異世界では、十二神鞘たちが秘女王に対してクーデターを起こすのですが、起こしたあとも互いを陥れ、互いを自らの軍門に降そうと、血で血を洗う裏切りを繰り返す。自分以外は何人たりとも信じられないような環境の中で、主人公の革(あらた)は他人の悲しみを理解してしまうのですね。一見ひどい人に見えても、角度を変えればさまざまな理由があり、優しさを持っていることもある。そうした共感に癒され、浄化していく物語は、ディスコミュニケーションな現代における癒しの物語としての側面を持っている。いやはやこれは見事な作品だなぁと感心……というか普通に面白い、のですよ^^。

# まあ普通に考えると、秘女王が実は最大のダークホース、という設定で、
# 信じたはずの彼女に裏切られていた、という設定なのでしょうね。
# が、どういう構図でそういう展開に持ち込むのかはさっぱり不明^^。

この作品、私はすっかり少女漫画だとばかり思っていたのですが、実はサンデーに連載されているのだとか。渡瀬さんとしては初めての少年向けファンタジーだそうですが、予想以上の見事な作品展開に舌を巻きました。普通に面白い作品なので、ファンタジー系の作品に興味がある方はぜひ読んでみてください。


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コメント(2)

これは私も気になっていました。
いいのなら読んでみるかな?

最近のサンデーは地味にいいのが多いですね。
「魔王」などは大変な傑作だと思いました。
「神のみぞ知るセカイ」も駄目マンガですが(笑)
うまくバランス取ってますね。

どもです。
最近は少年マンガにめっきり疎くなってしまったのですが、
私のどストライクゾーンっぽいので読んでみようと。

ではでは。

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