というわけで今日はこちらの書評をひとつ。
先日、ZED を見に行ったときに購入した書籍、「シルク・ドゥ・ソレイユ サーカスを変えた創造力」。ZED の誕生にまつわる様々なショービジネスの秘話から、シルク・ドゥ・ソレイユという企業の実態や目指すところに迫っていく一冊。劇場で見かけたときに興味を惹かれて買ったのですが、読んでみたらびっくり、いやはやこれはまた面白いじゃないですか^^。
ショービジネスにかかわる様々なデータが掲載されているのも面白いのですが、中でも面白かったのが、シルク・ドゥ・ソレイユがショービジネスのリスクをいかにして軽減しているのか、というポイント。ラスベガスのショーは、成功すれば天国だけど失敗すれば地獄。そんなリスクを軽減するために、
- 劇場の建設費用はすべてホテル側が負担。
- ショーの制作費はシルク・ドゥ・ソレイユとホテルが半分ずつ折半。
- チケットの売り上げも半分ずつ折半。
という仕組みにしているのだとか。この仕組みは実に見事で、劇場の建設や運営リスクを低減しながらも、他の用途には転用できない常設劇場を手にする仕組みで、いやはやこんな強気なビジネスが成立するのはさすがシルクだなぁと感心してしまったり。こんな話以外にも、例えばツアーショーをアリーナ形式に変更することで、ショーにかかる費用や場所の問題を軽減し、ショーそのものの寿命を伸ばすことに成功した逸話や、彼らが取り組んでいる新たなビジネスや新事業のデザインなど、面白い話が満載。
さすがはシルク・ドゥ・ソレイユ、と唸らされるところが多数ありましたが、これだけやるからこそ世界一のアーティスト集団、といわれるのでしょうね。非常に面白い一冊でした。
コメントする