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イネーブラな先輩社員。

ふう~、というわけで昨日は夜遅くまで同僚 2 人とずーっと飲んで食って喋っていたのですが、お互いホントによく飲んで食って喋るなぁと苦笑い。会社の同僚の中でも気が合う二人なので、折に触れてよく話すのですが、その中で出てきた話がちょっと困った後輩社員の話。

その同僚の担当しているシステム構築プロジェクトには、入社三年目の社員が入っているのですが、一般的に言えば入社三年目といえば、そこそこ仕事のこともわかってきて、仕事に対するプロ意識も目覚めてきてよいタイミング。がしかし、実態としては実力が足りないこともさることながら、なによりプロ意識や根性がまるでない。普通の人がやれば 1 時間もかからず終わりそうな WBS (作業項目リスト)の作成に 2 日間もかけていたり、ひどいものになると、宴会企画に関してもお客さんへの時間請求項目の中に入れていたりする;。さすがに見るに見かねて先輩社員からの指導が折に触れて入っているのですが、殊勝な態度を取る腰が低い子なので強くも言えず、なかなかうまくいかずにどうしたものかと先輩社員同士で相談している、という話だったのですね。

……がしかし、その話を聞いた私ともう一人の同僚が速攻でツッコミ。
「いやその子、そんな殊勝な子じゃないから。」

って、それを聞いた同僚は「ぇぇぇぇぇぇ」と驚きまくっていたのですが;、実はこの子、非常に困ったことに超内弁慶タイプ;。同期が集まったときの会話を聞くと、どんだけオレオレなんだとツッコミたくなるほどイタすぎる会話を繰り広げる。自己認識力(自分の置かれた立場や自分の実力を客観的に正確に把握する力)がまるでないんじゃないか、というほどの自信過剰なタイプ……なのですが、問題なのは、自分より目上の人に対してはそうした態度を一切出さないという点。それは彼自身のひとつの処世術で、そうすることによって目上の人からかわいがってもらえる(手助けしてもらえる)のですが、半面、本質的なところでは反省も改善も全くないので、当人はいつまでたってもまるで育たないのですよね。

で、その同僚にアドバイスしたのが、「イネーブラになっちゃいけない」という話。

イネーブラというのは、もともとアルコール中毒やギャンブル中毒などの依存症を起こす人の周辺によくいるタイプの人で、具体的な例としては、酒の不始末の尻拭いをする奥さんや、借金の肩代わりをしてしまう家族のこと。イネーブル(enable)というのは、「何かを可能にしてしまう」という意味なのですが、要するに、本来であれば当人がやらなければならない責任を肩代わりしてしまうことで、本人の自覚を妨げ、むしろ本人の問題行動を助長してしまう人のことを言うのですね。

これは子供のしつけを考えてみると分かりやすくて、例えばおもちゃ売り場で子供が「おもちゃ買ってー」と泣き叫んでいるとき。こういうときに絶対にしちゃいけないことは、泣き叫ぶ子供をなだめるためにおもちゃを買い与えてしまうこと。それをしてしまうと、子供は「泣き叫べばおもちゃが買える」という勘違いをするようになって、さらに強く泣き叫ぶようになってしまうという悪循環を引き起こすのですね。こういうときにしなければいけないのは、毅然とした態度を示して、泣いたからといっておもちゃが買えるわけではないということを理解させること、なのですよね。

こうしたイネーブラになりやすいのは、一見すると優しいけれども心が脆弱な、お父さんやお母さんタイプの人。かわいそうな人を見ると放っておけないタイプの人がこのワナに陥りやすいのですが、その背景には、かわいそうな人を見捨てる自分になりたくない、という心の弱さが潜んでいることが少なくない。でも実際には、どんなにかわいそうであっても、本人が解決しなくちゃいけない問題には、他人が絶対に手を出してはいけないのですよね。

こういう話は、子供の例を出すとものすごく当たり前の話としてみんな「そうですよね」と納得するのですが、問題なのは最近、大人であってもこういう子供まがいみたいな人が増えているという点。周囲の人たちからそのことを指摘されると、この同僚のように「はっ」と気付く人も多いのですが、気付けないとこのワナにハマりやすいのですよね。

# ……というか私も過去このワナにハマったことがあるのですが;。orz

自覚を持っている人に対して適切なサポートをすることはものすごく大切なのですが、自覚を持っていない人に対してその人の責任を肩代わりすることは、こうした人たちを助長し、結果的にはそうした人の自覚を遠ざけることにつながってしまう。どんなにつらくても、毅然とした態度を取ることが結果的にはその人のためになることもある、という心の強さを持つことが大切。そのためには、何が or どこまでが先輩社員としての自分の責任で、何が or どこまでがその後輩社員の責任なのか、という責任分解点を明確にする必要がある。その線引きをきちんとするといいよー、という話をしてみたり。

結果的にはいろいろ納得してくれたみたいでよかったのですが^^、もう一人の同僚いわく、「自分に(その後輩社員のような)イタい行動をする時期があったかなぁと思い返してみると、どこまで振り返ってみても接点がない」とか。これには思わず三人でうなづいてしまったのですが;、異文化であるがゆえに、きちんと意識的に対処する必要がある問題なのでしょうね。いやはや;。


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