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書評:航空機は誰が飛ばしているのか

というわけで今日はこちらの書評をひとつ~。

20091107

ええっと、「航空機は誰が飛ばしているのか」。特に積極的な興味があったわけでもなく、たまたま本屋で平積みされているのを見て興味を惹かれて買ってみたのですが。

面白い。
っていうかこれめちゃめちゃ面白いじゃないですか^^。

国土交通省の若手官僚が、航空管制の業務を説明する書籍なのですが、とにかく面白いのは、航空管制という極めて専門性の高い業務を、一般人向けに極めて分かりやすく解説している、という点。例えば、航空機を操縦しているのは誰なのか、という話。実際には操縦桿を握っているのがパイロットであったとしても、車間距離を取ったり安全に車線変更したりする作業の大半は航空管制官が行っているのですが、それがどういう意味を持っているのか、といったことを簡潔明快に説明していく。またそうした基礎理論をもとに、発着容量(要するに最大でどれだけの飛行機が離着陸できるのか)の計算方法を示し、滑走路を増やしても発着容量が単純に増えるわけではないことや、実際には風向きによって極めて複雑な滑走路運用が行われていることなどを解説していくのですね。

しかも非常に面白いのは、単純な航空管制の話にとどまらず、最終的には日本の空の航空戦略全般に話が広がっていくところ。例えば日常的な感覚として、国際便を使う人間としては羽田が国際空港化してくれると助かるとよく思うのですが、じゃあそれが現実的かというと、ものすごくいろんな問題がある、ということを示してくれている。では羽田と成田をバイパスするリニアモータみたいなものがあればいいかというと、いやむしろ羽田と成田を直結する線をつくるよりも、東京-羽田、東京-成田のパスを作るべきだ、といった話がどんどん繰り出されていっていくのですね。

これは正直、理系な人間にとってはたまらない一冊で、とにかく理路整然としていて納得感がある話を次々と繰り広げていくので、あっという間に読める上に満足感が高い一冊。航空管制に関しては、同人誌で非常に面白い本があって興味を惹かれていたのですが、この本を読んでさらに興味を覚えたり。こういう専門性の高い業務をわかりやすく解説してくれる本は非常に貴重ですね~。面白かったです。


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