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428 - 封鎖された渋谷で

というわけで今日はこちらのインプレをひとつ~。

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ええっと、「428 - 封鎖された渋谷で」。Wii や PS3 でも発売されているチュンソフトのノベルゲームで、かなり高い評価を得ている一作。シュタゲまでのつなぎになるかなーと思ってプレイしてみたのですが。

これがとんでもなく面白い。
いやー、これはかなり激しく面白いじゃないですか^^。

ゲームは複数のプレイヤーを併用したマルチビュー形式で進んでいく物語なのですが、ゲームシステムがなかなか面白い。誰かの行動が他の誰かの行動に影響を与える、というシステムになっており、ある人の行動を変更することで、他の人がバッドエンドでなくなる、という仕組み。しかも面白いのは、その影響の与え方が全くもって理不尽極まりないというところ。つまり、「あの人がこの時点でこれだけの情報を持っているということは、この時点ではこの人は云々」などと論理的に考えて物語を組み立てていくようなことはできなくて、「え゛ー、そこでフラグ立てるのかよ、絶対わかんねーよ」みたいなフラグの立て方ばっかり。

ところが見事なのは、それがフラストレーションにはならないというところ。ここはゲームシステムの妙が現れていて、例えば、ストーリーは 「24」 のように 1 時間単位に区切られていて、1 時間単位に進めていく仕組みになっている(=パズル要素がそれほど複雑になりすぎないようになっている)とか、バッドエンドには必ずヒントが出るのでそこから簡単に解けるようになっているとか、あるいは "KEEP OUT" と呼ばれる、「他のシナリオを進めないと先に進めない」ポイントをうまく設けることでプレイヤーの気持ちをうまく引き込むとか、あの手この手でプレイヤーを飽きさせないような仕掛けが盛り込まれている。複数の主人公の行動が複雑に絡み合い、互いに影響を及ぼしあうことで、大きなひとつの物語を構築していくその手腕は実に見事、という感じ。

# ちなみに最終章だけはそうした理不尽さがなく、完全な推理ゲームになっており、この章だけはヒントなし。
# こういうところもゲームを面白くする一因ですね。

さらにゲームシステムもよく出来ていて、フラストレーションなくサクサクと進むのはプログラムの作りの良さの証左。特にマルチビューシステムでのプレイヤー間の切り替えは、ちょっとした画面効果のセンスが非常によく、こういうのをプレイしているとユーザインタフェースのデザインってホントにゲームの印象を変えるものだなぁと思ったりします。

ふと気づけば中だるみすることもなく、一気に最後までプレイしきってしまったのですが、いやはや、実写ベースで萌え要素もまるでないこんなゲームを一気にプレイするとは……正直自分でも驚きでした。かなり面白かったです。

……が、しかし。

カナン萌え。超萌え。ってか、なんだこのおまけシナリオはwww。
明らかにゲーム違うんですけどwww、状態^^。

いやー、笑ってしまったのはおまけシナリオ。実はこのゲーム、おまけシナリオが 2 つ含まれているのですが、そのうち片方を TYPE-MOON の武内氏と奈須氏のコンビが担当しているのですよ。でもってそれがどう見ても明らかに TYPE-MOON な感じ(笑)。いやもう、文体からしてぜんぜん違うのですよね。イラストもアニメ絵、そして声優さんの声つきになるのですが、これがめちゃめちゃ面白い。魔法こそ出てこないものの、奈須氏のテイストバリバリの語り口には思いっきり引き込まれました。なんというか、さすがとしか言いようがない超一流の切れ味のよい文体で、これをプレイするためだけに 428 をやってもお釣りがくるんじゃなかろうか、というぐらいの出来でした。いやー、お見事です。

というわけで、つなぎのつもりで軽くプレイしたらこれが超当たりな作品だった、というワナ。PSP でプレイできるというのもかなりポイント高し。非常によい作品なので、ぜひプレイしてみてください。


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