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Alice in Wonderland

というわけで今日はこちらのインプレをひとつ~。

ええっと、Alice in Wonderland。少し前に映画館でやってたもので、以前から奥さんが見てみたいという話だったのですがなかなか行く時間が取れず。あれこれしている間にいつの間にか DVD/BluRay 化されていたので、さくっと見てみた次第、だったりします。

まあもともとヲタク=ファンタジー好きなので結構期待して見てみたのですが……うーん、なんとも微妙、という印象;^^。作品自体は、アリスの「その後の世界」を描いたファンタジーで、19 歳になってもなかなか大人になりきれない夢見る少女アリスが、自分から何かを選び取っていく力を得ていくという、現実回帰物語。ざっくりとしたストーリーとしては、大好きだった父親という後ろ盾を失い、退屈な男と結婚させられそうになっていたアリスは、うさぎを追いかけて、穴の中に落ちてしまう。そしてやってきたアンダーランドと呼ばれるワンダーランド。独裁者である赤の女王がやりたい放題やっているこの世界の住人たちは、預言書にある救世主を待ちわびていた。アリスはアンダーランドの住人たちとのふれあいを通して、逃げることなく自分の意思で自分の道を選び、立ち向かっていくことを知っていく……とまあ、そんな感じのストーリー。

全体を俯瞰するとこんなストーリーなのですが、非常にストレスが溜まるのが、初見での物語のわかりづらさ。もともと不思議の国のアリスという作品自体が、不思議系作品、つまりなんとなく違和感を感じる「ズレた」物語なのですが、そこを踏襲した設定にしているので、見ていて微妙な違和感が次々と重なっていく。それは作品の狙い通りではあるのですが、とにかく見ていて疲れる;;。後から全体を振り返ってみるとわかりやすい物語になっているのですが、どこを楽しめばよいのか? を理解するまでに結構時間がかかってしまうのでなかなか大変;。

また加えて「え゛ー;」と言いたくなってしまったのがやはりラストのオチ。作品のテーマは「夢見る乙女からの脱却」、すなわちファンタジーからの脱却。ラストでは、退屈な男を自らの意志で振り、自らの生活の安定のためにろくでもない男と結婚している姉の結婚のカタチを否定し、いつか王子様が現れるはずだと夢見ることを続ける初老の女性を精神病だと切って捨てる。このあたりは非常にわかりやすいのですが、だからといって、じゃあビジネスの話をしよう、ということで貿易商(?)の才覚を突然発揮して、自らの意志で大海原に出ていく、なんていうオチはさすがにツッコミどころ満載;。女性がキャリアを目指すという考え方自体がそもそも時代観・歴史観を全く無視しているし、夢見る少女が突然、ビジネスの才覚を発揮するというのもまるで冗談話。荒唐無稽なラスト自体が、まるで子供が夢見る絵空事なわけで、これは何か一流の皮肉が入っているのだろうか、と勘繰りたくなってしまいます。普通に幼馴染とか使用人の誰かと幸せな結婚をする、とかの方がおさまりが良かったんじゃないかとも思ったり。

ただ、その一方で舌を巻いたのがやはりアリスならではの世界観。特に美術系が素晴らしい出来で、3D グラフィックスを使って描かれているとはとても思えない見事な芸術の数々には目を奪われることしきり。ディスクにはメイキングビデオが入っているのですが、これを見てみてかなりびっくり。いやー、ほとんどが CG じゃないですか、と。しかも CG の違和感を全く感じさせないのが本当にびっくりで、CG と実写とをうまく融合させることで作品を作り上げる手腕には本当に驚かされます。特殊効果も見事で、まさか赤の女王は実写後に CG 加工で顔だけ大きくしているとは……^^。グリーンバック合成と呼ばれる撮影手法(実写撮影の際にグリーンの背景を使っておき、そこに CG を当て込む方式)を使っているのですが、グリーンを背景にしているあの状態であれだけの演技ができるのはさすがプロだなぁ、と感心してしまいました。どの役者さんもハマり役という印象で、キャスティングもよかったですね。

……とまあつらつらと書きましたが、思ったほど面白い作品ではなかったかなー、という気はするものの、美術効果に関しては目を見張るものがあったという作品。BluRay だと見ごたえがある作品なので、興味がある方は見てみてもいいんじゃないかなと思いました。よかったらぜひ^^。


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