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J コミ

すでに話題に出遅れている感はありますが、こちらのネタをひとつ。

このサイト、ラブひななどでおなじみの赤松 健氏が代表取締役となって立ち上げた、マンガのネットダウンロードサービス。絶版扱いになったコミックスについて、広告を差し込んだ .pdf ファイルをダウンロードして無料配布するというもので、なるほどこれはなかなかに面白いサービスだなぁと感心したり。特に、昨今は iPhone をはじめとしてリーダとして便利なデバイスが増えているため、これはなかなかによいんじゃないかと思った次第。

J コミ立ち上げの趣旨については様々なところで赤松 健氏がインタビューに答えているのですが、絶版漫画に限定して配信するというのはなかなか上手いモデルを考えたなぁと感心。最近のコミックスはとにかく絶版になるのが早くて、うっかりすると数年程度ですぐに絶版になってしまう。このため、現役作家の作品ですら過去の作品を読むのは困難になってきている状況で、こうした形で読めるのは嬉しい限り、ではあります。しかも便利なのは、著作権保護機能つきの配信機能を使っていないという点。出版社が書籍販売で利用している、著作権保護機能つきのファイルの多くは取り扱いが不便。エンドユーザ的には、落としてきた .pdf ファイルを友達にすぐにコピーできる、というのはとにかく便利なところ。

そしてさらに感心するのは、J コミが広告収益のピンハネをしないという点。電子書籍ビジネスに限らず、こうした運営会社の運営コストをどう捻出するのかはビジネスであれば必ず問題になりますし、実際、コンテンツのダウンロードビジネスはそれなりにシステムの運用コストがかかります。たとえばラブひなの場合、高解像度版をダウンロードすると 1 巻あたり 1~2 円程度のダウンロードコスト。ラブひなはスタート直後に 170 万ダウンロードがあったそうなので、ざっくり 200 万円ぐらいの運用コストがかかっているはず。赤松 健氏はおそらくこれをポケットマネーで賄っているのだと思いますが、これは赤松 健氏だからこそできること、でしょう(著作権保護機能つきの配信機能を使わないのは、この「ランニングコストを落とす」という狙いも大きいはず)。

もちろん見込みが甘いであろう点は多々あって、広告ページのクリックが 5,000 回、1 冊あたりの広告収入を約 70 万円と見ているのはさすがにどーよ? と思いますが(それだけ広告収入が見込めるコミックスが絶版になるとは思えない;)、ただ、いわゆる海賊版に完全に占拠されている絶版コミックス市場(?)に楔を打ち込む、という意味では非常に大きい一歩だなぁ、と思ったり。

個人的には、レンタルコミックスと同程度のコストであれば普通に使いたいと思えるサービスなのですが、さてはてどうなることやら。うまく軌道に乗ってくれることを祈っているのですが。


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