―――あの人が《強い》だって?
違う。そうじゃないことを、僕はもう知っている。
あの人は、ただ《強くあろうとしている》のだ。
自分のために。誰かのために。胸の中で輝く、大切なもののために。
―――僕も。
僕も、いまは力も知恵も何もかもまるで足りないけれど、でも前を向くことはできる。
それこそが、誰もが最初から持っている、本当の強さなんだ。
というわけで、今日はこちらのインプレをひとつ~。
アクセル・ワールド、現在の最新刊 vol.7 までを一気に読破~、というか読み止まらんかった;。というかこれはとんでもない秀作じゃないですか;;。
緻密に練り込まれた設定も素晴らしいですが、何より素晴らしいのはその直球勝負のテーマ、そしてその描き方。5 巻ラストのスカイ・レイカーのエピソードには久しぶりに魂が震える思いをしましたが、これすらも全体からすると一部のエピソードでしかない、というのが驚愕としか言いようがない。
「あなたは夢を諦めてなんかいない。
あなたの目指した空は、僕よりもずっとずっと高かったんです。」
作品中のあらゆるピースがひとつずつ、かちっ、かちっと揃っていく、その痺れるような快感。あらゆるところに待ち構えるバッドエンドのイメージを覆していくその見事な様は、そりゃ引き込まれない方がウソというもの。そして作品から伝わってくるメッセージは、愚直すぎる直球ストレートなもの。
「負けて、転んで、失敗しても、それでも諦めずに前に進むことが本当の強さだと。」
いやはや、これは凄まじい作品ですね。これだけの秀作でなぜまだアニメ化されていないのか? と思うところもありますが、これは中途半端なアニメ化はしてほしくない作品。ちゃんと全巻出しきってから、じっくりと 2 クールぐらいの作品に仕上げて欲しいですね。ここ最近読んだラノベ作品の中では間違いなく群を抜いてトップの作品。最初の掴みがあまりよくない作品なのですが、これはぜひ読んでみて欲しいところですねぇ。
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