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ラスベガス旅行記 Part 6. ショー & アトラクション Cirque du Soleil KA

続いては MGM Grand で行われている KA についてご紹介~。

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“O” で大ヒットを収めたシルク・ドゥ・ソレイユが、満を持して 2004 年に開幕した大型ショー、KA(カー)。オープン当時、日本では鳴物入りで紹介されて、これを見るためにラスベガスにもう一度行きたい! とまで思っていた作品だったりしました。相当な期待を持って見に行ったわけなのですが……まあ一言で言うと、これはダメだろう;、という感じ;;。

KA はそれまでのシルクのショーと異なり、強くストーリー性を前面に押し出した構成になっている。それ自体は悪くないのですが、感性に訴えかける演出がまるでといっていいほどないのですよ;。確かに、ストーリーはわかりやすい。簡単に言えば、王国貴族の双子の少年と少女が謀反に巻き込まれて散り散りになり、いろんな冒険を経て再び再会する、というもので、全体的にアジアンテイストがいろんな場所に色濃く現れている。まあそれはよいのですが、問題なのはステージに出てくる様々な動物や昆虫たち。カニやムカデ、ヘビなどの動物を多用しているけれども、めちゃめちゃハリボテ感たっぷり。しかもこうした動物を出す割にはステージが工場を彷彿とさせるメカニカルなセットになっていて、めちゃめちゃミスマッチ。なんで動物をモチーフに使ったのか正直理解に苦しみます;。

KA の最大のウリは、その可動式巨大ステージ。本来であればステージが存在する場所には何もなく、奈落がそのままぽっかりと口を開けているのですが、その上の中空に巨大な 2 枚のパネル状の可動式巨大ステージが存在しており、これが左右のシャフトを軸に前後左右上下に自在に動く、という仕組み。2 枚のパネルはそれぞれ Tatami Deck、Sand Cliff Deck と呼ばれており、前者は 9.1x 9.1m、後者は 7.6 x 15 x 1.8m で 50 トンもあるトンデモないシロモノ。特にこの巨大パネルを縦にして使う演目は迫力満点で、前方から 6 列目で見ていた自分たちから見上げると、文字通り絶壁そのもの。最後はこの垂直になったパネル上で戦闘するという演目を演じてみせるのですが、スローモーションのような演技をきれいに見せる実力はさすがとしか言いようがない。ロープが絡まったら一貫の終わりなわけで、そうした失敗もなく綺麗に演じきってみせるテクニックは素晴らしいとしか言いようがないし、90 度以上に倒した逆斜面での壁面登りも見ごたえがありました。……がしかし、それだけ、なんですよね;。

KA というタイトルは、古代エジプトで信じられてきた、人間の心に宿る様々な魂の総称とのこと。……がしかし、その魂の輝きのようなものが十分に見せられていたかというと悩ましいところ。そもそもステージセットが機械や工場を彷彿とさせるもので、真っ先に連想するのは「火」なのですよね。ではステージは「火」をモチーフとしてうまく使えていたのかというとそんなことはなくて、確かに最後の花火は綺麗だったけれども、それ以上のものが特にない。また、魂や火をモチーフにすることならではの躍動感や力強さが作中でほとんど感じられない。特に残念だったのは The Slave Cage。クーザではホイール・オブ・デスという名前で演じられた演目で、この演目は数あるシルクの演目の中でも自分的には一二を争うお気に入り。非常に危険な演目で、実際クーザでは事故が起きているらしいのですが、見せ場となりうるそれほど危険な演目であるにもかかわらず、ステージの後ろの方でちまっと演技しているだけ、なのですよ;。加えて、ホイールを見せてから実際に演技を始めるまでの間にバトントワリングを挟み込むとか意味不明としか言いようがないです;(← だったら後でホイールを出せと小一時間;)。

総じていえば、個々のパーツは悪くなくても、組み合わせ方やつなげ方、ステージとしての見せ方があまりにもなっていないがゆえに、とにかく盛り上がらないステージになっちゃっているのですよ;。いやもうぶっちゃけあり得ないとしか;;。パフォーマンスよりもストーリー性重視、なんだろうけれども、何かちぐはぐ。 機械仕立てである理由がわからないし、子供っぽい演出も理由がわからない。 もっと大人向けのエンターテイメントにしてもよかったんじゃないか? と思わずにはいられません。

“O” の大ヒットが故に、どうしても方向性を変えなければぶつかるという判断があったのかな? などと邪推してしまいますが、理由はともあれ、単発作品として見て噛み合っていない作品では固定ファンがつかないのもある意味当然。オフシーズンとはいえ、客の入りも 6 割程度、これでは打ち切りまでは時間の問題だろうと思わずにはいられなかったり。いろんなところにチャイナな演出が満載で、もしかしたら中国人には受けるのかもしれませんが、少なくとも日本人にはウケないと思います、これは;。やはりロングランとなる作品には相応な芸術性があって、作品としてきちんと完結している。そういう要素が KA には足りていないと感じました。パネルを使った演目や、上から水の中を落ちていくような演技など、縦の動きをリアルに見せる演技など素晴らしい部分は多々ありましたが、総じていえば非常に残念な作品。期待しすぎてしまったかなぁと反省する部分もありましたが、奥さんも似たような感想だったので、やっぱり肌には合わなかったんでしょうね;。演出のテコ入れでかなりよくなりそうな気はするので、なんとかしてほしいものですねー;。うーん。


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