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不惑じゃなかった一年間……かも;。

さてさて、今年もついに大晦日。今年は去年までよりはちょっとはたくさん blog を書いている……とは思うのですが、とはいえ昔に比べたらまだまだ低いペース。こんな blog にお付き合いいただいている皆様に感謝しつつ、今年も何か締めくくりなエントリを書いてみようかと思ったり。……といっても例によってたいしたネタはないので;、今年もちょっとお仕事関係の話を書いてみようかと思ったりします。

実は今年の後半はむちゃくちゃ仕事が忙しかったのですが(というか今も忙しい;)、こんな状況に追い込まれているのは、とにもかくにも組織のひどさ;。いや~、その昔、「どんな組織にしたって、誰がマネージャやってもそんなに大差なんて出ないだろう」と思っていた時代もありましたが、すみません、大きな間違いでした;;。あ゛ー、組織って構造が悪いと本当に崩壊するのか、と肌身で感じた一年間でした。いやまあ、数年前からなんとなくこんな予感は感じてたのですが、やっぱりそうなのね、と;。

私のいる組織は数年がかりでの組織改革に取り組んでいて、今の本部長も、以前の本部長が鳴り物入りで指名・採用した人。最初の年は凄まじい売上を記録したものの、その後は成長が鈍化。このままいくと明らかにまずいよね、という状況になり、今年は大幅に組織構造を改変。さらなる飛躍のために予定を一年早めて組織を変えたと説明されたものの、根底には売り上げの減少傾向があり、そこへの起死回生の一発として投入された施策でした。けれどもまあ、ぶっちゃけ起死回生の一発って、ハイリスクハイリターンな施策なわけで、そんなにうまく成功するはずもなく、まあ見事なまでに散々な結果に;。

失敗した理由はいろいろあれど、なにより大きなところは、組織や人の状況を度外視して、トップダウンで枠組みを作ってきたところ。組織の人数がクリティカルマスを超えていない上に、人の成熟度も不足している状況で無理に導入されたため、レポートラインと実務ラインとがぐちゃぐちゃになって一気に組織が骨抜きに。加えてこういう状況になると、売り上げがよくないという理由で営業担当者をころころと買えるため、見込み案件がどんどん減っていく。悪循環が悪循環を呼ぶという最悪のサイクルに;。私は同じ組織に 10 年以上いて、本部長もその間に 4 回ぐらい変わっているのですが、結果、過去に類に見ないほどの業績悪化に。あ゛ー、これは何割の人が整理されるんだろう、という悲惨な状況になる始末;。

いやはやもうこれは「笑えばいいと思うよ」としか言いようがない状況なのですが;、組織構造がどれほど重要なのか、加えて上位層のディレクションがどれほど重要なのかというのを思い知った一年間ではありました。けれどもそんな組織の中にいて、それ以上にいくつかの大きな学びもありました。自分の備忘録的にまとめておくと、こんな感じ。

まず最初に、無理な成長は必ず身を亡ぼす、ということ。数年前、組織がゴール比で数十パーセント以上の成長をした折に、その余剰分を未来の投資に回すべき(例えばプリセールスだとか研究開発だとか)だと思ったのですが、本部長が取った施策は「行けるところまで行って記録を作ろう」というもの;;。おいおいありえねーだろ;、と思ったものですが、その結果は言わずもがな。比較に出すのも憚られるほどですが、例えば amazon なんかはどれだけ売上が伸びようとも、利益は出さずにとにかく投資にひたすら回す(こことかこことか参照)。この徹底したやり方には驚嘆するし、実際のところ多くの企業ではここまでの無茶はできないでしょうが、とはいえ未来への投資がどれほど重要なのかは明らかなところ。頑張ることは大切だけれども、身の丈を超えた成長を無理にしようとすると、必ずどこかが綻んで崩壊する、と思うのです。

次に、成長における最大のボトルネックは、人のスキルや成熟度である、ということ。これは組織を構成する人についても言えるし、ターゲットとしているお客様についても言えること。組織を構成する人がついてこられなければ、どんな施策も実現できないし、逆にお客様がついてこられなければ、どんなに優れたサービスも過剰サービスになってしまう。どちらがボトルネックになるのかはケースバイケースですが、往々にして問題になるのは社内の人材。数値化されない or しにくい領域なだけに、ここは本来はマネージャの肌感覚がモノをいう世界……なのですが、往々にしてマネージャは現場と分断しがちで、本部長は数字と本社ばっかり見て、現場を見ずに施策を作ることが多かったりします。が、それでうまくいくはずもない。サイバーフォーミュラじゃないけど、人も組織も同時に成長することが必要なんですよね。

しかし、人材を育てるというのは非常に難しいこと。そもそも人材は育てようと思って育てられるものではなく、どちらかというと自分の思惑を外れて勝手に育っていることの方が多いというもの。人が自ら育っていくためには、適切な環境や気付き、適度な負荷といったものが必要で、そのためには人材を守りすぎてはいけない。往々にして、仕事で失敗を恐れるようになると、部下やメンバーに対して、確実にできる仕事しか与えなくなるものですが、これをやってしまうと仕事の安定性が(一時的に)増す半面、徐々に人材が腐っていってしまう。新たなチャレンジをしなくなり、仕事は誰かが取ってきてくれるものだという思い込みが増し、上司に対して不満ばかりいうクレーマーが増えていく。結局のところは人材を子供のように甘やかしたことによるツケ。聞きかじった話で恐縮ですが、子供を子供として扱うといつまでたっても子供のまま、子供を小さな大人だと思って接することが躾の基本だとか。大人に対しても、実は同じ話が当てはまるのではないかという気がしていたりします。

そして最後に、仕事の根底に求められるのはやはりモラル(規範)だということ。精神論で仕事を語るのは、ビジネスマンとしては失格なのだろうとは思うのですが、その一方で、仕事の根底にモラルや規範は必要だとも思うのです。組織がこんなひどい状況に追い込まれたのは、表面的には成長時期に未来への投資を怠ったことであり、追い込まれたときに起死回生の逆転を狙ったことなのですが、その根底にあるのは、結局のところはモラルのなさ、だとも思うのです。「ダメなときには何やってもダメ」という諦めの覚悟も時としては必要だし、成長しているときにこそ気を引き締めることが必要なもの。根底にモラルや規範がないと、方針にしろ仕事の内容にしろ、追い込まれたときに歪さが出て崩壊しやすくなる、と思うのです。

まあこういう組織の話って、勝てば官軍負ければ賊軍というもので、後だしジャンケンのように何かを語るのは正直アンフェアなのだろう、とは思います。けれども、もしかしたら自分がいつか同じ立場に立たされたときのために、いろいろと思うところをまとめておくことはそれはそれで必要なのだろうとも思います。「人の成長」というのは多分自分にとって最大のテーマなんだけれども、自分も周りも一緒に成長していくというのは本当に難しい。答えがない領域ではあるけれども、慌てずに来年以降も少し取り組んでいきたいなーと思ったりします。

ま、でも来年は厄年なので、まずは健康に気を付けないと、ですねー;。皆様も健康にお気をつけて、良いお年をお迎えください。なにはともあれ、一年間ありがとうございました。また来年も、よろしくお願いいたします。m(_ _)m


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