というわけで今日はこちらの話をひとつ。
先日新調したレンズ、Nikon AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G。自身初めてとなる、マクロレンズを購入してみた次第だったりします。
マクロレンズってそもそもなによ? ということに関して、Web サイトでは小難しい説明がたくさんあって非常にわかりにくかったのですが、一言でいえば超拡大撮影ができるレンズのこと。例えば、マクロレンズを使うことでこんな写真を撮影することができます。
マクロレンズについてまとめてみると、こんな感じです。
- マクロレンズと一般的なレンズの違いについて
- ほとんどのコンパクトデジカメにはマクロモードが搭載されているため、そもそもマクロレンズという概念自体がないことが多いが…
- 一眼レフでは、通常のレンズを使うと、ある一定以上の拡大撮影をしようとするとピントが合わなくなる。例えば、被写体に思いっきり近寄って撮影しようと思ってもピントを合わせることができず、シャッターが切れない(=被写体からある程度カメラを離さないとピントが合わない)。マクロレンズであれば、このような問題が発生しない。
- マクロレンズの焦点距離
- マクロレンズには、大別すると焦点距離の長いものと短いものとがある。
- わかりやすいのは焦点距離の短いものタイプのマクロレンズ。これは簡単に言えば、被写体に思いっきり近づいて接写することが可能なレンズ。
- 一方、わかりにくいのは焦点距離の長いタイプのマクロレンズ。これは被写体に思いっきり近づけない(例えばトンボなどを撮影する)ケースにおいて、遠くから望遠しながら拡大撮影したい場合に使うもの。(※ 通常のズームレンズでズームすりゃいいじゃないか、と思うと思いますが、通常のズームレンズだと、ズームしすぎた場合はピントが合わなくなります。)
- 焦点距離の短いマクロレンズの場合
- 比較的わかりにくいのが、通常の一般的な単焦点レンズと、マクロレンズとの違い。
- 例えば AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G と AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G を比較してみると、以下のような共通点と相違点がある。
- 共通点
- 一眼レフ用のほとんどのマクロレンズは単焦点であるため、どちらも単焦点であることには変わりがない。(焦点距離が固定で、レンズによるズームが効かない)
- 同様に、どちらのレンズも比較的明るいレンズ(f 値が小さい)である。このため、室内撮影などに比較的強い一方、被写界深度(ピントの合う範囲)のコントロールに注意が必要。また、どちらのレンズもボケを綺麗に出しやすい。
- マクロレンズであっても、別に近接撮影にしか使えないというわけではない。通常の単焦点レンズと同様な使い方も可能。
- 相違点
- 拡大撮影(近接撮影)ができるかどうか、という点だけが違う。例えば 35mm f/1.8G は最短撮影距離が 30cm であるのに対して Micro 40mm f/2.8G は 16.3cm。これはレンズの長さも含んでいる値のため、レンズ先端からの距離(ワーキングディスタンス)で言えば 4~5cm ぐらいまで近づくことができます。
- 撮影上の注意点
- 焦点距離が短いレンズであっても拡大撮影時は手ぶれを起こしやすくなるため、三脚の利用が望ましい。
実は後からわかったことなのですが、AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G の方がレンズとしての基本性能が高いようで、photozone というサイトの検証結果を見ると、ほぼ歪みなし、F4.0~F8.0 あたりでかなりの解像力を示す様子。ボケも 35mm より綺麗に出る印象があるし、正直 35mm よりもこっちのマクロ 40mm の方が圧倒的に使い勝手よいんじゃないか? という印象。35mm の方の利点は明るいこと(f/1.8)なのですが、実際には f/1.8 では被写界深度がかなり浅い(ピントの合う範囲が非常に狭い)ため、例えば料理の写真などを撮影する場合には実際には少なくとも f/4 ぐらいまで絞る必要があるんですよね。そうなってしまうと、マクロ 40mm の方が近寄れる分、圧倒的に使い勝手がよい、と。
マクロレンズとはいえ、通常のスナップ撮影にも十分強く、なるほど Micro 40mm を買ったら 35mm の出番がなくなって処分した、という人が多いのも頷けるレンズです。Web を見ていると 35mm の方が購入者が多いのですが、おそらくマクロレンズという言葉にちょっと尻込みしている人が多いんじゃないか? という気がしたり。明るい単焦点レンズの選択肢として、本当はこちらを第一候補にした方が良い人が多いかもしれませんね。
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