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Charlotte

先日ですが、前クールで放映されていた Charlotte を全話一気鑑賞。麻枝氏による作品ということもあり、事前の情報を完全にシャットアウトして見たのですが。

いやはやなかなか面白いじゃないですか。
っていうか友利がなかなか新鮮なんですが^^。白痴系でない毒舌ヒロインが妙に新鮮な気も(ぉ。

とはいえさらっとネットのレビューを見てみると、まあびっくりするほど叩かれている様子。叩かれるのもわからなくもないのですが、いやそこまで叩くほど悪くもないんじゃないかな? という印象も。確かに設定はどこかで見たようなものばかり(厨二願望超能力、タイムリープ、ギアス、能力略奪)。だけれどもそれらを使ったストーリーの組み立て方はなかなか上手。Charlotte のタイトルも、能力者の能力の頭文字になっている、なんてあたりの作り込みも悪くないです。(よくこれ見つけたなぁと感心しましたが。)

Collapse(崩壊)
Hypnotism(催眠)
Ascertainment/Assimilation(検知/同化)
Remove memories(記憶消去)
Looting(略奪)
Obscure(秘匿)
Time leap(時空移動)
Teleport(瞬間移動)
Evocation(降霊)

中盤あたりの展開では SF 展開からヒューマンドラマに持ち込みましたが、このあたりは麻枝氏の真骨頂とも言えるところ。孤独が人を捻じ曲げていくその描写、いつ捻じ曲がってもおかしくない心を支えている周囲の人たちの存在の大切さ、そして生きていることへの感謝。こうしたヒューマンドラマ的な描写は、ベタではあるけれどもやはり上手いなぁと感心せざるを得ません。

ただ、全話を通して見た感想として一番ひっかかったのは、そもそも麻枝氏の持ち味ってこういうのだったっけか? という点。この作品、各所のレビューを見ていると、批判はだいたい以下の 2 つに集約されます。

  • 作品のテーマがよくわからん。
  • 最後の #13 が詰め込み過ぎ。

これは実際その通りで、この作品はテーマ主体なのか物語主体なのか、軸が作品中でころころぶれているのですよね。1 クールものの中で、前半は家族愛や兄弟愛、中盤は人生賛美、終盤は恋愛と自己犠牲。あれやこれやと手を広げ過ぎていて、話の組み立て方も非常にテクニカルすぎる、と思うのです。じゃあテクニカルな観点で超一流かというとそんなこともなくて、実際、最後の #13 は尺を延ばしたらむしろとんでもないことになるだろう、という印象。というのも最終話の「全世界の能力者の能力を奪う」という根幹部分にテーマ的な必然性がないため、尺を延ばしたらおそらく味がなくなる。善悪の概念がグレーになっていき、人を巻き込んで殺めてしまっている状況で、そこからハッピーエンドに持ち込もうということ自体に相当無理があるわけで、その中であのエンディングにつなげようとすれば力技で押し切るしかない。もし綺麗に終わらそうと言うのなら、この作品は、もっと手前のタイミングでオレタタエンドで畳むか、あるいは右目を治してチートプレイで完全ハッピーエンドを目指すか、どちらかしかなかったんじゃないか、と思うんですよね。

そもそも麻枝氏って、技術で物語を組み立て上げるやり方で感動を作り出せるほど技術力(物語の構成力)が高いわけじゃない、と思うのです。それにもかかわらず麻枝氏がこれほどまでに絶大な人気を誇っているのは、人の琴線に触れてくるような繊細な感性があってこそのもので、どんだけ作品が粗削りでも、すなわちぶっちゃけストーリーが破綻してようとキャラクターが白痴だろうと、そんなもの目をつむってもよいと思わせるだけの力がある作品を描けるから、だと思うんですよね。確かに Charlotte という作品は、「そこそこ上手く作られている」作品だとは思うのですが、それじゃ凡百の作品と何が違うのよ? となってしまうと思うのです。

確かにまあまあは面白かった作品だし、十分に佳作レベルではある。けれども麻枝氏なんだから、と期待してしまうのは、やっぱり AIR や CLANNAD に魅せられた往年のファンだから、なんでしょうかねぇ?; なんにしても、次回作もまだまだ期待したいものです、はい。


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