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五等分の花嫁 : ストーリー解説 Part 4. 3 年 2 学期~学園祭

※ 五等分の花嫁のネタバレ全開です。まだ作品をすべて見終わっていない場合には、読まないことを激しくオススメします。

赤字はストーリーライン上非常に重要なセリフ、青字は筆者の個人的な考察・補足説明です。全体インデックスはこちら

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[旭高校 3 年 2 学期~学園祭](2018/08~2018/10/15)

    • 2学期:学園祭準備
      • 一花が休学してロケに。ロケ先のホテルで一花の勉強を見る。「卒業したいのは妹たちとだけじゃないけどね」(#11-95)
      • 四葉、一花から言われた言葉のせいで風太郎を急に意識し始めてしまう。「変だよ…今まで普通に話せてたのに…なんで…今になって…私どうしたん…」(#12-96)
      • 風太郎、四葉と全力で学園祭を徹底的に楽しむことを宣言。(#12-96)
      • 四葉、学園祭の相談事を一手に引き受ける。「えへへ。最後のイベント、ですもんね。1ミリも悔いの残らない学園祭にしましょう!」(#12-96)
      • 屋台メニュー、男子+二乃のたこ焼きと、女子+三玖のパンケーキでクラスが二分(#12-96)。男子側に回った二乃を責めようとする女子たちから二乃を守るために風太郎が暗躍(#12-97)。
      • 二乃、父親を呼ぶことをやめようとするが、五月と四葉からの言葉で思いなおして招待状を出す。(#12-97)
      • 風太郎、学級長として四葉と共に学祭の準備に東奔西走。四葉は演劇部の舞台にも参加予定。クラスまで気を回し切れれず、三玖にお任せ(#12-98)。
        • 四葉と共に学園祭に向けて全力投球する一方で、クラスの出し物のために全力投球する三玖のことは完全に放置プレイの塩対応。三玖たんかわいそす。。。
      • 三玖、夜遅くまでパンケーキを作る練習。五月からその想いを問われる。(#13-105)
        • 「三玖、どうしてそんなに頑張るのですか?」
        • 自分のやりたいと思ったことを、たとえ結果がどうなろうとも全力でやり遂げたいから。パンケーキのことだけでなく、フータローに対する向き合い方もそうなっている。全てが終わった後夜祭で、三玖と四葉が以下のように振り返っている(#13-112)。
          三玖「最初はクラスメイトに嫌われないか怖かったけどやるべきと感じたままやり抜いたことを後悔してない。」
          四葉「うん。私も同感。たとえ望んだ結果が出なくても、後悔しながら生きてくより100倍いいよ。」
      • 三玖、最終的にはお母さんの味にそっくりなレベルにまで達し、試食していた五月にお母さんを思い出させて泣かせるほどまで上達。(#13-106)
    • 学園祭前の日曜日(10/07)(三玖とフータローのデート)(#12-98)
      • 勇也、無堂が十数年ぶりに名古屋へ来る情報をつかみ、マルオと相談(#12-98)。
      • 三玖、風太郎と水族館デート(10/7)(#12-98)。風太郎、学祭の準備で疲れてダウン。
      • 三玖、風太郎に進路を伝えるとともに、はっきりと告白(#12-98)。
        • この一連の会話では、三玖が迷いながらも先送りをやめて前に進む覚悟を決める。そしてそれを受ける形で、風太郎もまた覚悟を求められることになる。三玖シナリオの最大の見せ場となるシーン。
        • 「とまぁ…クラスまで気を回しきれなかったのもそれが原因だ。もしかしたら当日も顔を出せないかもしれない。その時は三玖、お前に任せたぞ。」
          三玖、この言葉で自分を気にかけてくれていないことを改めて痛感。風太郎にその気がないことを示すセリフがわざわざ太字で強調されている。
        • (ひとまず大学に行ってからでも遅くないかも。)(あの時、二乃の言ってたことに少し憧れた。私ももしかしたらフータローと同じ大学に行けるのかも。)
          実際には風太郎は三玖では学力差がありすぎて、同じ大学に行けるはずなどない。しかし万に一つの可能性であっても「一緒の大学に行ける『かも』しれない」という可能性の存在が、三玖にとって心の救いになっていた。振り向いてくれないことがわかっているから結論を先延ばしにしたい。けれどもペンギンが飛び込むのとシンクロするように、三玖は先延ばしを辞める決断をする。
        • 「私、料理の勉強したい。だから大学には行けない。ごめんねフータロー。」
          「そうか。お前が決めたのなら応援するぞ。」
          「大学に行くのも間違いじゃないと思う。何が正解かわからない。…でももう自分の夢に進みたくて仕方ない。それを伝えたかった。フータローは私にとって特別な人だから。」「それって…」「もちろん変な意味で。私は伝えたよ。じゃあ次。フータローの番ね。」
          茶化したり逃げたりすることなくはっきりと告白を最後まで言い切ったのはここが初めて。三玖は風太郎が自分を向いてくれないことを理解しながら(=フラれることを覚悟した上で)告白して、前に進むことを決意。自分に引導を渡すと同時に、風太郎の背中も押している。→(この恋の成就が不可能だって私は知ってる(#13-105))。
        • (このタイミングで三玖がなぜあんな話をしたのか。決して進路だけの話ではないはずだ。次は俺の番。俺の伝えなければいけないことは…)
      • 五月が学園祭の招待状を届けに風太郎の家に(#12-98)。
      • 風太郎、五月を家に送りながら会話(#12-98)。
        • 「入ってもらわなきゃ困る。これで落ちたら俺のやってきたことが無意味になっちまうからな。」「それは違いますよ。女優を目指した一花、調理師を目指した三玖との時間は無意味だったのでしょうか。」「! そうは…思いたくないな」「私たちの関係は既に家庭教師と生徒という枠だけでは語ることができません。そう思っているのはきっと一花も三玖も…皆同じはず。上杉君。たとえこの先失敗が待ち受けていたとしても。この学校に来なかったら、あなたと出会わなければなんて後悔することはないでしょう。」
        • (この関係は無意味じゃなかった。次は俺の番だ。)
      • 五月、受験対策講座で特別講師の無堂と接触。(#13-109)
    • ここまでを総括すると。。。
      • 風太郎と五つ子は、表面的には教師と生徒の関係(教える人と教わる人の関係)だが、実際には同い年の友人でもあり、お互いが教え、学びあっている。三玖が自分の進路をはっきりと風太郎に伝えたのは、特別な人である風太郎に、風太郎からもらったもの(恋心や自分に対する自信など)への感謝を示すことでもあったはず。
      • 風太郎が五つ子から教えてもらったことは、勉強以外のこと。「学生の本分は学業。それ以外は不要だと信じて生きてきた。だが…それ以外を捨てる必要なんてなかったんだ。勉強も友情も、仕事も娯楽も恋愛も、あいつらは常に全力投球だった。凝り固まった俺にそれを教えてくれたのはあいつらだ。」(#13-113)
      • 「次は俺の番」=風太郎が、五つ子から教えてもらったものに対して誠実に向き合い、答えを出すこと。すなわち彼女たちから向けられている思いに対して誠実に向き合って、自分の気持ちをはっきりと伝えること。各自の道へ少しずつ進み始めようとする三玖や五月、一花を見て、自分も関係をはっきりさせることを決意していく。
    • 学園祭:日の出祭り(旭高校学園祭) 10/13(土)~15(月) 10:00-17:00(#12-99~#14-114 最後の祭りが〇〇の場合)
      • 日の出祭り前日 (2018/10/12(金)
        • 風太郎から一花を除く姉妹に一斉メール。
        • その後、一花にもメール。学園祭初日に 15 時に教室に来るように言われて(自分一人宛にメールが届いているため)一瞬変な期待をするが仕事を理由に断る(#12-101)。
      • 日の出祭り 1 日目 (2018/10/13(土))
        • 開会式:二乃、オープニングセレモニーで四葉の代わりにレッドを熱演。舞台の上から客席を見渡すがマルオ見つけられず。三玖、五月は会場、四葉、風太郎は舞台袖から観覧。(#12-99)
        • 10:00:日の出祭開幕。三玖、パンケーキ屋へ。
        • 四葉、たこ焼き屋の安全点検の見回り、紙片を片づけるよう指示。
        • 五月、食堂で自習。二乃、弱気になる五月を励ます。(#13-109)
        • 風太郎、パンケーキ屋の安全点検の見守り。三玖に仲裁を依頼。(#13-105)
          • 「変えられるとしたら…三玖、お前だ。」「信じるも信じないもお前の自由だ。」「うん。フータローを信じる。」
          • 文化祭を通じて、三玖が信じるものが、フータローではなく自分へと変わっていく。三玖が風太郎から離れて自立していく、その起点としてのセリフになっている。
        • 三玖、たこ焼きを食べたのち男子を説得。
          • 「ありがとう。全部フータローのおかげ。」「は? 俺は何もしてないだろ。お前が皆を動かしたんだ。強くなったな。三玖。」(やった!私頑張れた。勇気を出せばどんな不可能も変えられるんだ。)(#3-105)
        • 四葉、演劇部で女王エメラルド役を演じる。その後、翌日の台本を元に戻すことを相談される(#13-107)。
        • 一花、学園祭へ到着、風太郎と接触。自分一人宛ではなく全員にメールを送っていたことを知る。三玖から告白されている件について確認。「告白の返事、まだでしょ。イエスでもノーでも、先延ばしすればするほど酷だよ。」(#12-101)
        • 四葉、演劇部の手伝いののち、お化け屋敷のオバケ役、唐揚げ屋の呼び込みの手伝い、風太郎の椅子運びを手伝う。風太郎を労いつつ、からあげ券を風太郎に渡す。
          • 「よく頑張りましたね。上杉ささんはもやしなんだから休んでください。」「四葉。ありがとな。お前がいてくれて良かった。」「何言ってるんですか。こういうのは持ちつ持たれつですよ。」(こちらこそ。上杉さんに認められただけで全てが報われる気がします。頑張って良かった。)(#13-107)
        • 14:50:五月、学食での勉強が終わらず。(#12-99)
        • 14:55:風太郎、無堂を案内。(#12-99)
        • 15:20前:二乃を風太郎と四葉が迎えに。(#12-102)
        • 15:23:五つ子と風太郎が教室に揃う。
          • 「俺はお前たち五人が好きだ。この六人でずっとこのままの関係でいられたらと願ってる。だが答えを出さなければいけないと思う。」(#12-99)
          • 三玖が真っ先に風太郎に応える。「フータロー。いいよ。」
          • 「とはいえこんな祭りの最中に言うほど俺も野暮じゃない。俺も俺で整理しきれていないからな。最終日まで時間をくれ。」
          • 「ようやく…といったところでしょうか。この難問を解くまで随分時間がかかりましたね。ですが羨ましい限りです。」(#12-99)
          • (五月は自分が選ばれるとは全く思っていないため)自分以外の誰が選ばれるにしても、風太郎が真剣に向き合って出してくれた結論で選ばれるので、その人は羨ましい限りです、という意図で発言したと思われる(=それだけ真剣に考えて想ってくれる人がいるのは羨ましい限りです、という意味)。母親役として、娘の誰かが真剣に想ってくれる人と結ばれるのは羨ましい、という意味もあるかもしれない。
            なお別解釈として、五月は風太郎が四葉を選ぶことを確信していて、そうであるが故に、頭でっかちな風太郎が恋愛という難問を解くまでに時間がかかりましたね、でもその難問を越えて選ばれる四葉は羨ましい限りです、という意味で発言したものという解釈もあるが、その場合、翌日の「上杉君は一体だれを選ぶのでしょう」の発言とかみ合わなくなる(#12-100)、また五月はもともと母親代わりなので、誤解によるすれ違いは望まないものの、誰か一人に肩入れすることはないと思われる。
        • 16:30頃:風太郎、タクシーに乗る一花を見送る(#12-101)。
          • 「今答えを聞いちゃダメかな?」(私じゃなくていい。二乃でも…三玖でも…姉妹の誰であっても…これでこの気持ちに区切りがつけられるんだ。)「わかった。誰も選ばない。それが俺の答えだ」(#12-102)
          • この時点で、① 実は本心では四葉と決心しているが一花に隠している、② 五つ子全員が好きなのに本当に四葉一人を選ぶという決断を下すべきなのか迷っていて決め切れていない、の 2 つの可能性が考えられるが、おそらく実際は後者の②。「俺も俺で整理しきれていないからな」(#12-99)の言葉通りに決心がついておらず、そんな中で一花から問い詰められたことで、日和って「誰も選ばない」と答えてしまう。が、その日和った答えに激昂した一花に(おそらく)ビンタされている。
            一花に実際にビンタされたのかどうかは不明(はっきりとは描かれていない)。しかし、らいはから頬の跡を指摘される(#13-109)、翌日に病院で会ったときの二人の会話がぎこちない、公園で一花から提示された飲み物のチョイスの中に一花という選択肢がない、この 3 つのことから、ビンタされなかったとしても、少なくともボロカスに言われて風太郎が自分で自分を叩いたと考えられる。
        • 16:41:父親が見当たらず、風太郎がマルオに直電しようとする。風太郎が、父親とマルオが知り合いであることを知る。
        • 17:00:文化祭初日終了。
        • 17:10:高火力に改造(#13-105)していたたこやき屋でボヤ発生、出店停止処分に(#12-102, 105)。四葉、劇の稽古中に風太郎とのことを妄想。(上杉さんが答えを出すまであと二日…今日みたいな日が過ごせるのもきっとそう…でも…もし…私を選んでくれたら…)「自分にお仕置きです。」(何考えてるの私…)
        • 四葉、劇の稽古中にたこ焼き屋の炎上を知る(#13-107)。四葉、責任を感じて寝付けず。三玖、出店停止を知り、ショックで倒れる(#13-105)。
      • 日の出祭り 2 日目 (2018/10/14(日))
        • 07:00:四葉、開場3時間前に登校して仕事を開始。
        • 10:00:2 日目開始。
        • 風太郎、四葉が仕事を終わらせているためにフリーに。遊びに来ていた竹林と会う。
        • 三玖、四葉に声掛け。「最後に思い出作り、私もしておいた方がいいかもね」「? 四葉…」(#12-100)
        • 風太郎と竹林のことを三玖と四葉が発見。
          • 竹林、二乃と五月と接触して二人をからかう。(#12-100)
          • 黙っていられなくなり飛び出そうとする三玖より先に、四葉が飛び出してしまう。「わ、私の方が上杉さんのこと…」(#12-100)
          • もともと三玖と二乃は四葉の気持ちに気付いていない(四葉の気持ちを知っているのは五月と一花のみ)。三玖は風太郎の気持ちが自分に向いていないことだけはわかっているが、このときに三玖が四葉の気持ちに気付く。(学園祭後に二乃と三玖で四葉に対する態度が大きく違うのは、性格的な違いだけでなく、事前に四葉の想いに気付いていたかどうかの差もあると思われる。)
          • 四葉、その場を逃げ出す。竹林、五月と二乃と会話。小学校の修学旅行のときの話を聞き出し、風太郎が会ったのが四葉であることを特定する(#13-108)。
        • 11:57:竹林、四葉を探して接触、会話(#13-107)。「あなたにお会いできてよかった。」(#13-108)
          • 「このこと風太郎には…」
          • 「い…言わないでください。がっかりされたくないんです。上杉さんはずっと正しく努力してきたのに私は無駄なことに執着した意味のない六年間でした。」
          • 「それだけですか? 自分は無意味で必要ない人間だと、同じようなことを言っていた人を知っています。そしてその人は今、前を向いて歩き始めています。あなたも過去から踏み出せますように。」
          • 竹林は修学旅行後、風太郎から清水寺の写真をさんざん見せられており、風太郎が人が変わったように勉強し出したきっかけを作った少女のことをずっと知りたかったと考えられる。竹林は、昔とすっかり変わった風太郎がすでに過去の約束の呪縛から解放されていることに気付く一方で、四葉が過去の約束に囚われたままであると見抜き、上のセリフを四葉に伝える。
      • 四葉、竹林と別れたのち、過労で倒れる。倒れていたところを発見され病院に搬送、入院。風太郎、四葉の件を謝罪して回る。(#13-108)
      • 五月、校舎裏にて無堂から実父であることを明かされる(#13-109)。生前、零奈が語っていた「私の人生…間違いばかりでした」のセリフが重なって思い悩み、以降、五月は四葉の見舞いにも行かずに家の部屋に引きこもる(#13-110)。
        • 零奈の言う「私の人生…間違いばかりでした」「五月。あなたは私のようには絶対にならないでください。」とは、男を見る目がなく、無堂と結婚して捨てられてシングルマザーになり、子供たちに苦しい生活を強いてしまったこと。
      • マルオ、学校に来るが電話で病院から呼び出されてトンボ帰り。(#12-102, 104)
      • 17:00:学園祭終了。風太郎、バイクで二乃を迎えに。二乃、三玖に屋台当番を代わってもらう。
      • 風太郎、二乃をマルオのところへ連れていく。「どうも。お借りした娘さんを返しに来ました。」(#12-104) (⇔ #7-58 「娘さんを頂いていきます」)
      • 二乃、マルオと会話。
        • 「三玖だけじゃない。私たち五人全員あの頃よりもずっと大きくなったわ。その成長をそばで見ていてほしいの。おとうさん。」「私は君たちから距離を置くことで、受け入れがたいあの人の死を避けていたのかもしれない。この味…君たちは逃げずに向き合ってきたんだね。次は家族全員で食べよう。」
        • マルオ、風太郎に詰め寄る。「それは…どうだろう。家庭教師の範疇を越えていると思うのだが? だがそれが私にできなかったことだ。君に頼んでよかったと心から思う。不出来だが親として、君が娘たちとの関係を真剣に考えてくれることを願おう。」(#12-104)
      • 二乃、風太郎に不意打ちのキス。「やっぱ恋はせめてこそよね。」「この先私たち姉妹の関係がどのように変わったとしても私の気持ちは変わらない。」(#12-104)
      • 二乃、病院で風太郎から四葉の入院を聞き、病室へ。目を覚ました四葉、二乃と会話。「あんたがここにいるって聞いて驚いたわ。フー君ったら私に気を遣って言わなかったのね。あんた全然余裕持ってやれてないじゃない。」
      • 四葉、すでに夜になっていることを知る(#13-108)。連絡を受けた一花も病院へ駆けつける
      • 四葉、抜け出そうとしたところを風太郎に阻止、最終日の仕事を託すように諭される。
        • 「誰の役にも立てず迷惑ばかりかけて…私のいる意味ってなんだろう」
        • 「…だが通せない。明日まで絶対安静と言われている。ここを動くつもりはない。ひとまず座ってくれ。話してやるよ。お前がいなくなった学園祭での出来事を。」
        • 「気付いたか? こいつらは全員、お前の世話になった奴らばかりだ。お前のせいでじゃない。お前のために集まったんだ。」「持ちつ持たれつ…だろ? たまにはお前が持たれたっていいんだ。」「託してくれ。俺もお前の世話になった一人だ。」
        • 「上杉さん。この度はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。最終日…私の分の仕事をどうかお願いします。」「ああ、任せろ。」(#13-108)
        • もともと四葉は中学・高校時代の失敗から自分の存在価値を見失っており、結果として誰かのため・みんなのために頑張るというイネーブラ気質を持っている。そんな「自分がない」四葉の心の支え・拠り所になっているのが、風太郎との思い出であり、風太郎への想い。だからこそ四葉は頑張ることで、少しでも風太郎に近づき、追いつきたかったのだと考えられる。
          一方、風太郎が四葉を選択すると心を固めたのはこのタイミングだったと考えられる。四葉は勉強でこそ風太郎に教えを請いているものの、それ以外のことではほぼ一方的に四葉が風太郎を助ける形になっており、四葉が自ら風太郎に頼ることはない。いつも強がる四葉が初めて自分から風太郎に弱さを見せ、風太郎に頼っているが、風太郎からすれば、初めて四葉に自分の気持ちが通じた(=四葉が自分に初めて心を開いてくれた)と実感できたイベントになっている。
          このイベントが風太郎にとってのターニングポイントになっていることは、① 2日目朝に竹林に会う前は、からあげ券を自分一人で使おうとしている。② 学園祭終了後の一花の「あの時にはもう決めていた」=この後の飲み物選択のときには決めていた。この 2 つの間で四葉に関わる大きなイベントがこれのみであることからもわかる。
      • 二乃、四葉のことを知って見舞いに病院へ来た三玖と会い、パンケーキのことを三玖に伝える。「お父さんが言ってたわ。あんたのパンケーキ、お母さんの味にそっくりだって。」(#13-106)
      • 風太郎、一花を送っていく。(#12-102)
        • 「フータロー君」「一花」
        • 二人の様子がぎこちないことから、初日に一花と風太郎が別れたときに、何か気まずいことがあった(=平手打ちしたかボロカスに言ったかのどちらか)と推測される。
        • 一花、風太郎に選択を迫る。「俺の気持ちなんて俺自身もわかんねーよ。」「だから誰も選ばないなんて言わないで。」
        • 22:27:「問題です。フータロー君は誰だったら嬉しいですか?」
        • 「何固まってんだ…あいつが勝手に言い出したこと…適当に選びゃいい。くだらない…つーか買わなきゃ済む話だ。
        • 提示された飲み物に一花のチョイスがない=自分のフラグはないという前提で一花は話している。
        • 22:42:ジュース(四葉)を選択するも一花がうたた寝。「ダセェとこ見せちまったな…お前とはいつもこんな感じだった気がする。長男に長女。お互い苦労したな。」
        • 「どう? 私だった?」「男の人とキスなんて今はまだ NG かな。だから君が初めて。嬉しかった?」 素直な気持ちを大切に…なんて。そうだよね。フータロー君が誰を選ぼうと関係ない。この気持ちはまだしばらく静まりそうにないや。(#12-102)
      • 「お前らの元父親が五月と接触した疑いがある」「明日改めて五月に話を聞くとしよう」(#13-110)
    • 日の出祭り 3 日目 : 開場~終了 (2018/10/15(月))
      • 五月、前日から引き続いて部屋に引きこもり。(#13-110)
      • 三玖、風太郎を屋上に連れ出す。男子組と女子組を仲直りさせる。
        • 「任せて。私が説得するから。私を信じて。」(#13-106)
        • 風太郎を信じる=風太郎に依存していた三玖が、他人に対して自分を信じて、と言えるようになった=風太郎からの卒業、になっている。
      • 三玖、風太郎を押し倒してキスする。
        • 「ならよし! これを聞くのもずっと我慢してた。」「うん…わかった。…じゃあキスしたい。」「あ、ごめん。返事は後で聞くね。」(たとえどんな超えられない壁が現れても自分を信じる限りどこまでも進んでいける。)「もう迷わない。」(#13-106)
        • 引っ込み思案で回りの顔色を伺う子だった陰キャ三玖が、風太郎に恋して、自分を信じられるようになったことで、自分も風太郎も変えていくようになっている。自分としての『やり切った感』が、自分への自信、「やるべきと感じたままやり抜いたことを後悔してない」という振り返りにつながっていく。(#13-112)
      • 風太郎、二乃・三玖と五月の話(#13-110)。無堂が三人と出会うが名乗らない。
      • 風太郎、マンションへ行き、五月と会って会話。五月、夢を目指して母を追うことを決意する。(#13-110)
        • 「アホか。憧れの母親なんだろ。忘れる必要なんてないんだ。母を目指して夢を追うのと夢を目指して母を追うのとでは大きく違う。お前がそれを理解できているのなら親に憧れ志すことは絶対に間違いじゃない。」
        • 「お母さんは私の理想の姿です。強くて凛々しくて優しくて…私は…お母さんのような先生になりたい! 私は私の意志で母を目指します。」
        • 「…ふふ。いいこと思いつきました。上杉君。勉強教えてください。」「勿論だ。」
        • もともと五月は母親が大好きで、零奈が死んだときに大きなショックを受け、自分が母親にとって代わろうとする。それは「五月」ではなく「零奈」として生きるということであり、四姉妹への接し方や、風太郎への言葉遣いは、零奈というペルソナ(仮面)を被ったものになっている。恩師に憧れて教師を目指す、ということは珍しいものではないが、五月のそれは零奈そのものになりたい(=同じ存在になりたい)という度が超えたものになりかけていた。
          しかし五月は五月、零奈は零奈。自分が母親とは違う存在であることを踏まえれば、母を目指して夢を追う(=母親がゴール)のと、夢を目指して母を追う(=夢がゴール)のは大きく違う。自分の夢(=強くて凛々しくて優しい先生になりたい)がゴールなのであれば、母親に憧れ志すことは絶対に間違いではない。だから五月は五月として、五月の意志で、理想像としての母を目指すことを決意する。
      • 二乃・三玖・五月・マルオ・下田・勇也が無堂と対峙し、無堂を追い詰める。風太郎、遠くからその様子を見守っている。(#13-111)
      • 疲れた風太郎が終了までの間に少し休憩。四葉、風太郎との最後の思い出作りにキスをする。
        • 「風太郎君。」(※ 普段と呼び方が違う)
          「なんだ零奈。またお前か。今日もいろいろあって疲れてるんだ。また後にしてくれ。」
          「ずっと約束を覚えていてくれてありがとう。私は守れなかったよ。ごめんね。」
          「…そんなこと気にすんな」
          「風太郎君は気にしてないの?」
          「まぁ…昔のことより大切なのは今だろ。」
          「うん。もう君との思い出に頼らない。自分で自分の価値を探していくよ。だからこれが最後。」
        • 四葉にとって、「自分」を支えているものは風太郎との過去の思い出だけ。頑張って結果を出している風太郎に少しでも追いつきたかった(そこに束縛されている)。けれども自分が回りに支えられていることにも気づき、過去に囚われていることで回りが見えなくなっていることに気付く(=今の回りの人との関係性を大切にすることが重要なことに気付く)。過去に束縛されて、遥か彼方に存在する風太郎を追うことに固執するのではなく、周りの人たちとの関係を大切にして、その中に自分の価値を探していくことにする。これは過去との決別だけでなく、今の風太郎からの決別をも意味するため、「上杉さんにはもっと良い人がいるはずです」発言に繋がっていく。
        • (うわぁ…すげー恥ずかしい夢見た…学園祭中にいろいろあったせいだ…)
        • 風太郎は四葉のことをつらつらと考えており、そのままうたた寝して、四葉にキスされる夢を見てしまった……と思っているので、自分の妄想に恥ずかしくなった。
        • わー…私ってば思い切ったなー…許してくれるよね。最後の思い出造りだもん。いつまでも昔のこと引きずってる場合じゃない。これで私も前に進める気がする。うん、これで…私も…
          「四葉、平気か?」「はいっ。もう心配いりません!」
        • 四葉はここまでにも何度か風太郎への想いを振り切ろうとしているが、四葉が六年前の風太郎との思い出に明確に決別するのはこのタイミング。風太郎は一足先に、頑張る自分を支えるもの(頼る先)が「思い出(零奈との約束)」でなく「今」に変わっていたが、四葉は頑張る自分を支えるもの(と同時に自分を縛るもの)が長らく「思い出(風太郎との約束)」だった。それが、風太郎だけではなくみんなに支えてもらったという事実をきっかけに、「今」へと変わっていく。
          このイベントにより、初めて四葉が風太郎と結ばれる条件を満たすことになる。「五等分の花嫁」の作品全体の重要なポイントは、小6 の修学旅行のときに出会った二人が再会して結ばれる(初恋を成就させる)という単純な話にはなっていないこと。結果だけ見ればそうなっているが、お互いが初恋の人だったから結ばれているのではなく、初恋から『それぞれが』卒業したうえで、「今」を生きて支えあう二人として惹かれ合い、結ばれている。風太郎が四葉のことを好きなのは、零奈の正体だったからではなく(風太郎は零奈の正体は結婚後まで五月だと思い込んでいた)高校時代を四葉とずっと一緒に過ごしたからであり、四葉が風太郎のことを好きなのも、単に昔に京都で会った思い出の男の子だからというわけではなく、高校時代に風太郎と積み重ねた思い出があるから(#14-114)。
      • 五月、五つ子と相談の上、一人で風太郎のところに行ってお礼を伝える(#13-111)と共に、風太郎に後夜祭で 5 人がバラバラの場所にいることを伝える(#12-112)
        • 「これが私たちの覚悟。どうかそれを理解してください。」(#12-113)
    • 日の出祭り 3 日目 : 後夜祭 (2018/10/15(月))
      • 17:00:学園祭終了 (#13-96)。五つ子、風太郎との約束の時間まで後夜祭を回って楽しむ。(ライブ会場(一花)、パンケーキ屋(二乃) → 出し物の結果発表(三玖、四葉)→ ポップコーン屋)
      • 風太郎、前田や武田と共に学園祭を振り返る。
        • 「ふと気になったんだけど…一体彼女たちの誰から見分けられるようになったんだい?」
        • 懸賞旅行(スクランブルエッグ)で四葉を最初に見分けられるようになっている (#8-64)
        • 「そうだ。学生の本分は学業。それ以外は不要だと信じて生きてきた。だが…それ以外を捨てる必要なんてなかったんだ。勉強も友情も、仕事も娯楽も恋愛も、あいつらは常に全力投球だった。凝り固まった俺にそれを教えてくれたのはあいつらだ。」
        • 「ただそれだけのことに気付くまでにここまで待たせちまった…きっと昔のままの俺なら今この瞬間も一人だったかもな。」
        • もともと「学生の本分は学業」が刷り込まれたのは、京都での四葉との思い出によるもの。そこへの固執を捨てるきっかけになったのがクリスマスイブ。それでも教師と生徒の関係に固執しようとする風太郎の心が徐々にこじ開られていく、というストーリーライン。風太郎に対して、最後に決断を突き付けたのは三玖(まず三玖が覚悟を示した)、それを後押ししたのが一花。
        • 「僕的には十分楽しめたけどね。上杉君は違うのかい?」「微妙だな。基本、裏方の手伝いばかりしてたから。最後の学祭で何してんだか。」
        • 「あ~、休憩所マジ助かる~」「楽しかったねー。もう歩けないよ…ってかここ初日は無かったような…」「そうだっけ…?」
        • 裏方の手伝い中心だったのでめいいっぱい楽しめたのかは微妙、と言いながら、風太郎が四葉と設置した休憩所で休んでいる生徒を見て満足している。
      • 風太郎、からあげ屋へ行き無料引換券でからあげを受け取る(#13-113)。五つ子、事前に予告しておいた各部屋へと移動。
      • この時点での認識はおそらく以下の通り。
        • 一花:二乃、三玖、四葉の気持ちを知っているが、風太郎が誰を選ぶのかの確信はない。
        • 二乃:一花と三玖の気持ちを知っている。四葉の気持ちを知らない。(修学旅行での三玖との様子などから)内心では自分が選ばれる可能性が低いことを理解している。
        • 三玖:一花、二乃、自分に加えて、四葉にも秘めた想いがあることを知っている。自分への塩対応から自分が選ばれることはないと思っている。学園祭での様子から風太郎が四葉を選ぶ可能性があることも内心わかっている。
        • 四葉:他の誰かが選ばれると思っている。
        • 五月:四葉が選ばれることを願ってはいるが、誰が選ばれるのかの確信はない。
      • 最終的に風太郎が四葉を選んだということに対しては、一花、三玖、五月にとっては予想の範囲内だったが、二乃は四葉をライバル視したことがなく、完全にノーマークだったことからサプライズだったと思われる
    • 後夜祭終了
      • この選択は、あるいはこの選択をすることは、正しかったのだろうか。そんなことを考えるには、三日間はあまりに短すぎた。それでも――― (#12-100)
        • この選択=誰も選ばないという選択をするのではなく、四葉を選択すること
      • 四葉、保健室から出て校庭へ行き、後夜祭終了のタイミングを迎える(#14-107)。
        • 五つ子はそれぞれ覚悟を持って部屋に入って待機しているが、四葉だけはそこから逃げ出して校庭に向かい、そこで後夜祭の終了を迎えている。自分が選ばれることはないと思っており、他の姉妹が風太郎に選ばれるということに耐えられないために、部屋(建物)から逃げ出したと思われる。携帯電話を取りに戻るのも、風太郎の告白が終わった頃を見計らうために、十分時間を取ってから。
          他の四姉妹は各部屋に覚悟を持って待機しているのに、四葉だけはそこから逃げ出している(=覚悟ができていない)、というのがポイント。一花や二乃、三区は、風太郎が誰かを選択するという恐怖に真正面から向き合っているが、四葉はその覚悟ができていない。結果として翌日、甘えたことを言って二乃に激昂されることになる。
      • 四葉、十分時間が経った後に、携帯電話を忘れたことに気付いて保健室へ。待っていた風太郎が四葉に告白。(#14-113, 114, 115)
        • 「だがお前がいなければ俺はとっくにつまずいていた。俺は弱い人間だからこの先何度も躓き続けるだろう。こんなだせぇ俺の勝手な願いなんだが。その時は四葉。隣にお前がいてくれると嬉しいんだ。安心すんだよ。お前は俺の支えであり俺はお前の支えでありたい。だから…嫌いならそれでいい。お前の気持ちを聞かせてくれ。」
        • このタイミングでは風太郎は四葉に「好き」だと言っていない。#14-119 での最大限での告白への布石になっている。
        • 「私は…上杉さんが…好きです。私…上杉さんには嘘をつけません…ずっと好きでした。」
        • 「ですがすみません。まだやらなくちゃいけないことがあります。」
        • 四葉が風太郎の気持ちを受け入れるのであれば、やらなくちゃいけないことは、四葉にとって大切な姉妹の絆をつなぐこと。しかし風太郎はこの四葉のセリフの「やらなくちゃいけないこと」がわからず、何が悪かったのかと悩むことに。もともと風太郎にとっては、姉妹の仲(=風太郎にとっては姉妹を同列に扱うこと)と、四葉を選択することは排他だった(#10-81)ため、四葉の「やらなくちゃいけないこと」に思い至らず、二乃と四葉が対峙しているときに四葉の真意と覚悟を知ることになる(#14-118)。
    • 学園祭終了後
      • マンションにて五つ子全員でマルオと夕飯。風太郎のことはあまり話せず。(#14-115)

⇒ 五等分の花嫁 : ストーリー解説 Part 5. 学園祭後~卒業・結婚式 へ進む


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