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五等分の花嫁 : ストーリー解説 Part 1. 過去~2 年 2 学期

※ 五等分の花嫁のネタバレ全開です。まだ作品をすべて見終わっていない場合には、読まないことを激しくオススメします。

赤字はストーリーライン上非常に重要なセリフ、青字は筆者の個人的な考察・補足説明です。全体インデックスはこちら

[過去~高校 1 年 1 学期](~2017/08)

  • 10 年以上前
    • 零奈、無堂に憧れて教師になり結婚、五つ子を設けるが無堂が逃亡。シングルマザーとなり極貧生活に(#13-110)。勇也、マルオ、下田が零奈の生徒に(#12-104)。
    • 風太郎 6 歳、母親が料理店を出した直後に事故で死亡。開業資金の多額の借金が残って風太郎一家が貧乏生活に(#14-121)。
  • 小学生時代
    • 四葉が身体能力で頭角を現し始める(#11-87)。
  • 小 6 京都修学旅行(2012/06)(#11-87~#11-90 私と姉妹・私とある男子)
    • 風太郎が竹林に失恋、四葉と出会う(#11-87)。二人で一生懸命勉強する約束をする(#11-88)。
      風太郎は写真の少女が初恋の人だという指摘を否定しているが、おそらく風太郎自身の認識では初恋の人は竹林(#10-79)。
    • 駆けつけたマルオが迷子になった二人を連れ帰る。一花が風太郎とトランプで遊ぶ(#10-83)。
  • 修学旅行後(2012/07~)
    • 風太郎が勉強に打ち込むようになる(#5-34, #12-100)。四葉もリボンを付け、人一倍の努力をするように(#11-88)。
    • 零奈、マルオと入籍(#11-93)したのちに死去(8/14、#7-57)。五月、母親になると心に決める(#11-88)。一花、お姉ちゃんらしくなろうと決意する(#8-66)。
    • マルオ、マンションを購入し、五つ子を引き取って住まわせる(#11-88)。
  • 中学時代(2013/04~2016/03)
    • 風太郎と竹林は別の学校へ(#12-100)。
    • 五つ子、黒薔薇女子中学(中高一貫)に入学。一花がショートヘアに。四葉の成績が徐々に落ちる。四葉からもらったゲームで三玖が歴女に(#11-89)。マルオ、二乃にパンケーキ作りセットを購入(#12-97)。
  • 高1 1学期~高2 1学期(2016/04~2017/07)
    • 五つ子、黒薔薇女子高校へ進学。四葉が陸上部でインターハイ進出、部活を掛け持ちして勉強を疎かにし、追追試で不合格、落第。マルオの手配で旭高校に転校。四葉、自分を追ってきた姉妹を見て、皆のために生きると決める(#11-89)。
      風太郎はこのエピソードを遊園地の観覧車の中で四葉から直接聞くまで知らない(#7-56)。

[旭高校 2 年 2 学期](2017/09~2017/12)

  • 2学期夏休み明け(#1-1~)
    • 四葉が落ちていたテスト用紙の名前で風太郎に気付くが、落ちこぼれている自分とのギャップに言い出すことができない(#11-90)。一花、風太郎がトランプで遊んだ子であることを思い出す(#10-85)。
    • 四葉が家庭教師の日以外でも風太郎に勉強を見てもらうようになる(#1-4, #11-90)。
    • 三玖、必死に歴史の勉強をした風太郎を意識し始める(#1-5)。四葉、三玖の風太郎への微かな恋心に気付く(#11-90)。
  • 花火大会(#2-7~#2-12 今日はお休み)
    • 五月、らいはと風太郎と共にゲーセンに行き、プリクラ撮影(#2-7)。
      このプリクラは、① 零奈として風太郎に渡すお守りの中に入れる、② 自分のスマホの裏面に貼る、に使われている。②を行ったタイミングは不明だが、#14-118 で自分の恋心を認識したことによって急に気恥ずかしくなっている。
    • 一花の女優業が発覚。一花、風太郎から一花の『嘘』を見抜かれる。(#2-10)
  • 秋の中間試験
    • 一人取り残された四葉に風太郎が感謝を伝える。四葉、風太郎に告白。「なんで私が上杉さんの味方をしてるかわかりますか?」「違いますよ。好きだから。」(#3-21)
      (冗談めかしているものの)風太郎に一番最初に告白したのは四葉。
  • 秋の林間学校:準備、旅館、肝試し、倉庫、スキー、キャンプファイヤー(11/上~中旬)(#3-22~#4-32 結びの伝説)
    • 四葉、風太郎を全力で楽しませようとする。「勉強星人の上杉さんがせっかく林間学校に来てくれたんです。私も全力でサポートします!」「後悔のない林間学校にしましょうね」(#4-25)
      • 肝試し:四葉が風太郎を手伝う
      • キャンプファイヤー:風太郎が四葉を手伝う
      • 最終日:寝ようとしていた風太郎を四葉がスキーに連れ出す
      • 風太郎のしおりのらいはへの土産話の中に自分のことが書かれていることを知る(#4-32)。
      • 帰宅後に風太郎がらいはにしたお土産話は、四葉の話が中心になっていた(#5-36)。
        林間学校で風太郎が一番長く一緒に過ごしているのは四葉。
    • 二乃、金髪の風太郎(金太郎)に惹かれる(#4-26)。
    • 一花、風太郎への自分の恋心に気付いてしまう(#4-27, 28)。
      • 四葉、一花が風太郎に好意を持っていることに気付く(#11-90)。
    • 五月、一花と風太郎の男女関係を疑い、一花に変装して風太郎を見定めようとする(#4-30)。
      • 「昨日のこと誰にも言ってない?」→ 五月は一花が朝に風太郎を見つめていたことからカマをかけた一方、風太郎は前日に倉庫の中で一花から言われた学校中退の話だと誤解。
    • 三玖、フータローへの気持ちをはっきりと公言するようになる(#4-30, 31)。
      • 「平等じゃなく公平にいこうぜ。」「私はフータローが好き。だから好き勝手にするよ。その代わり一花もみんなも…お好きにどうぞ。負けないから。」
    • キャンプファイヤーの瞬間に五つ子が全員で手をつなぐ(#4-32)。
      • 左手の薬指を握っているのは四葉。
  • 林間学校後:入院~退院
    • 五月、風太郎が勉強に打ち込む理由として、小6 の修学旅行の話を聞く(#5-33)。
    • 四葉、影からその話を聞き、風太郎が自分を忘れていなかったことを知る(#11-90)。
    • 風太郎、五つ子に自分に会ったことがあるかを聞くが返事なし(#5-35)。
      • 実際には一花も四葉も気付いているが二人とも名乗り出ない(#11-90)。
      • 五月も話の内容から自分たちの誰かではないかと疑うがこの時点では特定できず(#11-90)。
        風太郎はこの時点ではまだ写真の女の子に会いたいと思っている。
  • 勤労感謝の日(11/23)(#5-36~#5-37)
    • 一花と三玖、風太郎をデートに誘うが断られる(#5-36)。風太郎、らいはから四葉にお礼をするように言われる(#5-36)。
    • 四葉、風太郎からの誘いに応じてデート。
      • 風太郎と一番最初にデートしたのは四葉。
    • デートを楽しむ四葉の姿に、昔の零奈の面影を見て取る(#5-36)。
      • 「はぁ…未練がましいぞ俺。こいつらじゃなかったんだ。いい加減折り合いつけなきゃな」
        風太郎はこの時点でもまだ写真の女の子に会いたいと思っている。
    • 風太郎、四葉に「自分」がないことに気付く(#5-36)。
      • 「ちょっと待ってくれ、四葉、お前が欲しいものはなんだ?」「私が欲しいのはなんでしょうか?」
    • 四葉、ブランコで風太郎に屈託のない笑顔を見せてもらう(#5-37)。
      • 「欲しいものはもう貰いました」
    • デート後、姉妹に対する引け目から風太郎と距離を取ることを決意する(#11-90)
      • 「今の私は姉妹皆のおかげでここにいる。あの思い出もこの想いも消してしまおう」
        この後、四葉は零奈への変装道具を準備し、五月への依頼のタイミングをうかがうことになる。実際に依頼することになるのは、五月が家出したとき(#5-41)
  • 期末試験前~家出~零奈との再会~期末試験~クリスマス(2017/12)(#5-39~#6-50 7つのさよなら)
    • 期末試験前~家出
      • 三玖、菊ちゃんとの人生ゲームで風太郎に告白するが不発(#5-38)。
      • 風太郎が作った想定問題集を破り捨てた二乃を、五月が平手打ち。これにより二乃と五月が家出(#5-39)。
      • 深夜に五月と風太郎が湖へ(#5-40)。風太郎、自分が勉強に打ち込む理由を五月に吐露する。
        • 「あの日、京都であの子と出会い、いつか誰かに必要とされる人間になると決めた。俺はそのために勉強してきたんだ。」(#5-41)
      • 四葉、陸上部の助っ人の大会前で夜のロードワークをしている最中に二人を見かけ、木陰に隠れる。風太郎が勉強する理由を聞いて動揺して音を立ててしまう(#5-41)。
      • 風太郎が帰ったのち、四葉が五月に接触。五月は四葉に翌日のカバンを取ってきてもらうことを依頼(財布の依頼は忘れる)(#11-90)。
      • 四葉、カバンを持ってきた代わりとして、四葉に零奈への変装と風太郎への接触を依頼(#11-90)。
        • ここで四葉は小 6 の京都修学旅行での出来事をすべて五月に話している(五月と四葉が話し込んでいる描写あり)。以降、五月は四葉の味方(正確には娘を想う母親代わり)として動くように。
          四葉が五月に依頼した内容は、零奈に扮して、風太郎が四葉とした約束(「誰かに必要とされる人間になる」)がすでに達成されていることを伝えること、それにより零奈(四葉)を過去の存在にすること。(#6-42 で五月が風太郎に何度も伝えようとしたメッセージは「きっと君はもう必要とされる人になれてるよ」ということ。)
    • 零奈との再会
      • 風太郎、バラバラになった姉妹の仲を取り持つことができず、ただ勉強にのみ打ち込んできた自分が役立たずであると思い込む(#5-41)。
      • 零奈(五月)、風太郎に接触(#5-41)。ボートで楽しそうに微笑みあう二人を、辛そうに四葉が湖岸から見つめる(#11-90)。
      • 五月、名前を問われてとっさに母親の名前(零奈)を名乗る(#5-42)。
      • 零奈(五月)、すでに目指す自分(誰かに必要とされる人間)になっていることを風太郎に伝えようとするが、姉妹の仲を取り持てなかった風太郎はそれを否定(#5-42)。
        • 「いや…俺はあの日から何も変わっていない」「そっか。じゃあ…君を縛る私は消えなきゃね。」
      • 零奈(五月)、生徒手帳から写真を抜き取り、別れを切り出す。
        • 「私はもう君に会えないから」
      • 食い下がって懇願する風太郎に対して、とっさに五月・らいは・風太郎の3人で撮影したプリクラをお守りに入れて(#14-119)風太郎に投げて渡す。
        • 「自分が認められるようになったらそれを開けて。」「さよなら。」(#6-42)
        • 自分を認められるようになったら = 誰かの役に立てていると自分で認められるようになったら = 過去の少女に胸を張って会えると自分で認められるようになったらこれを開けて欲しい、という意味。五月は別れを告げる自分に食い下がる風太郎を見て、過去の少女(=四葉)に対する未練があると思っており、過去の少女の正体につながるヒントとして自分の写真を残している。一見すると、過去の少女が自分であると誤解させうる行為だが、実際には五月は(風太郎と四葉の関係に対して)母親の立ち位置(=二人を見守る立場)を取っており、もし写真を見て自分にコンタクトしてきたら、零奈の正体が四葉であることを伝えるつもりでいたと思われる。
          しかし実際には五月の思うように事が運ばない。風太郎は零奈への未練を断ち切ってしまい(#6-50, #10-79)、それでもなんとか零奈への想いを思い出させようと零奈に変装して画策する五月の動きを四葉が封じ込んでしまう(#11-90)。万策尽きた最後には、四葉に自分から正体を明かすべきだと伝えることになる(#10-86)。
      • 四葉、ロードワークで偶然出会った体で、茫然自失状態でずぶ濡れの風太郎と会話。自分に縋ろうとする風太郎を敢えて無視して立ち去る(#6-42, #11-90)。
    • 期末試験直前
      • 風太郎、二乃のホテルへ(#6-43)。会話の中で過去に縛られすぎている自分を認識(#6-43)。
        • 「このタイミングで零奈がなぜ俺の前に現れたのかわからないが、一つあいつに教えられたことがある。人が変わっていくのは避けられない。過去を忘れて受け入れていかないとな。」
      • 二乃、キンタロー(風太郎)の正体に気付き、睡眠薬を飲ませて別のホテルへ(#6-44)。移動の際に三玖に見つかり次のホテルを知られてしまう(#6-46)。次のホテルへやってきた三玖に髪の毛を切ってもらう(#6-45)(#10-82)。
      • 合宿を強行しようとする部長を四葉に扮した二乃が阻止し、五人が仲直り(#6-47)。
        • 「さようなら、キンタロー君。そして、さようなら―――(昔の五つ子)」
        • 「四葉。あんたも変わりなさい。辛いけどいいこともきっとあるわ。」
    • 期末試験~クリスマス
      • カンニングペーパーを5人に渡し、退任をマルオに伝えて啖呵を切る(#6-48)。
      • 成績発表、退任した風太郎に変わって江端が臨時家庭教師としてやってくる。カンニングペーパーのメッセージを読み、一花の提案で五つ子暮らしをすることを皆で決める(#6-49)。
      • クリスマスイブ、ケーキ屋でバイトする風太郎にケーキの配達を依頼(#6-50)。
      • 風太郎、新しい家庭教師の話を聞いて動揺、自分との関係のためにマンションを飛び出したことを知りさらに動揺(#6-50)。
        • 「あいつら、ここまでの覚悟で俺を…それに比べて俺は…っ!」
      • 風太郎、溺れる二乃を助けるために、零奈(五月)からもらったお守りを見捨てる(#6-50)。
        • 「これだから馬鹿は困る…なんだか…お前らに配慮するのも馬鹿らしくなってきた。俺もやりたいようにやらせてもらう。俺の身勝手に付き合えよ。最後までな。」「さよならだ。零奈。」
        • この時点で、風太郎にとって零奈との思い出が過去のものになる。

※ 考察 : 「7 つのさよなら」について

  • 自分を縛る過去との決別がテーマになっていることを加味すると以下のようなものが挙げられるが、他にも家出などさよならにカウントできそうなものもあり、解釈には揺れがある。
    • 零奈(四葉)が風太郎(との関係)に「さよなら」
    • 二乃がキンタロー君への想いに「さよなら」
    • 二乃が昔の五つ子の関係性に「さよなら」
    • 四葉が自分を束縛する陸上部に対して「さよなら」
    • 風太郎が家庭教師を辞任して五つ子に「さよなら」
    • 五つ子がマンション(=父親)から「さよなら」
    • 風太郎がお守りを流してしまい少女(零奈)との思い出に「さよなら」
  • が、一番重要なのは、最後の、風太郎の零奈の思い出との決別。
    • 風太郎が勉強一辺倒なのは、少女との約束によって、「いつか誰かに必要とされる人になるために頑張る」ため。#5-41 で零奈(五月)と会ったときには、五つ子の仲たがいを仲裁できずに自分に自信が持てず、自分は不要な人間(=昔から何も変わっていない)と思い込んでいたが、クリスマスイブに五つ子が自分を追って、何ひとつ不自由のないマンションから飛び出してきた(=五つ子から自分が必要とされた)ことによって、自分を認められるようになり、風太郎が過去の呪縛から解放されている。これ以降、勉強バカだった風太郎が、勉強だけでなく五つ子ときちんと向き合うようになり、自分に向けられる恋愛感情にも真摯に向き合うように変わっていく。
    • ただし勉強バカであるが故に、恋愛に関しては(特に三玖に対して)めちゃくちゃ不器用で的外れなことをやらかしまくる。塩対応される三玖たんかわいそす。。。
  • 風太郎にとって零奈は文字通り「過去の思い出」へと変わっていく(もはや正体が誰であろうとも構わなくなっていく)が、一方で五月はこの風太郎の心境の変化に気付けていないのがポイント。    
    • 五月にとっては「初恋は叶う『べき』もの」で、誤解のまま二人がすれ違っていくことが納得できないために、なんとか風太郎に昔を思い出させようと画策する。しかしその行動がすべて的外れで終わるのは、そもそも風太郎にとって零奈が過去のものになってしまっているため。
    • 作品全体としても、風太郎が四葉に惹かれたのは四葉が過去の思い出の少女だったからではなく(風太郎は結婚式の後になって初めて思い出の少女の正体が四葉だったことに気付いている)、高校生になってから二人が積み重ねていった関係性によるものになっている。

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      コメント(1)

      素晴らしいまとめ、非常にありがたく読ませていただきました。気づいていなかったことも多く、参考になりました。

      1つだけ気になったんですが、「一花、風太郎がトランプで遊んだ子であることを思い出す(#10-85)」のタイミングは、「2学期夏休み明け(#1-1~)」ではなく、林間学校の肝試しのタイミングだと思います。

      根拠は10巻85話161ページで、林間学校の肝試しで風太郎・四葉が一花・三玖を脅かすシーン(4巻25話34ページ)の回想です。金髪のカツラをかぶった風太郎のコマのあと、一花が目を見開いたコマがあるので、これは風太郎がトランプで遊んだ子であることを一花が思い出した表現だと思います。

      あと細かいですが、「#5-42」は「#6-42」の書き間違いだと思います。

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