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五等分の花嫁 : ストーリー解説 Part 3. 3 年 1 学期

※ 五等分の花嫁のネタバレ全開です。まだ作品をすべて見終わっていない場合には、読まないことを激しくオススメします。

赤字はストーリーライン上非常に重要なセリフ、青字は筆者の個人的な考察・補足説明です。全体インデックスはこちら

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懸賞旅行後の状況を整理すると...

  • 五つ子の状況
    • 一花:二乃、三玖をライバルとして認識。四葉、五月はノーマーク。姉としての我慢をやめることを決意。
    • 二乃:一花、三玖をライバルとして認識。四葉、五月はノーマーク。一花がライバルであることが分かったために焦り始め、より積極的に。
    • 三玖:一花、二乃をライバルとして認識。四葉、五月はノーマーク。風太郎を振り向かせる(=教師/生徒の関係性を変えてもらう)ことではなく、風太郎に振り向いてもらえるような自分になろうと決意。
    • 四葉:一花、二乃、三玖の気持ちを知っている。皆の幸せを願って自分の気持ちを封印しようと頑張る。
    • 五月:二乃、三玖、四葉の気持ちを知っている。(母親役を演じているので)誰かを贔屓目にすることはないが、四葉と風太郎の誤解・すれ違いを解きたいと思っている。一方で、風太郎が零奈の過去の呪縛から脱却できていることに気付けていない。
  • 風太郎の状況
    • 過去の呪縛「いつか誰かに必要とされる人になるために頑張る」から脱却。自分を救ってくれた零奈に対する感謝はあれど、すでに零奈の正体は重要でなくなっている。
    • 零奈が、なぜ母親の名前を騙ったのかはわからない。
    • 二乃や三玖の想いにどう応えるべきか、自分がどうすべきかの答えがわからない。
    • 自分にキスをした正体は一花だと思っているが、自分にキスを迫った理由がわからない。
  • 風太郎の五つ子に対する認識
    • 一花:どちらかというとからかわれている。キスされた理由は謎だが、多分ハプニング。
    • 二乃:自分に好意を持っている。何らか答えを返さなければならない。
    • 三玖:バレンタインチョコや旅館での言動から、多分自分に好意があるはず。
    • 四葉:自然体で一緒にいられる存在。非常に仲のよい友人的存在。
    • 五月:妙に意地になってぶつかってしまう幼馴染的な存在。特に意識はしていない。

[旭高校 3 年 1 学期](2018/04~2018/07)

  • 新学期
    • 一花、五等分した家賃を払えなかった人は父親のマンションに強制退去させると言い出す(#9-69)。
      • 一花が自分だけ我慢しなくなったが故の行動。払えなかった人が出た場合でも、その分家賃が安くなるわけではないので、実態としては四人に同じ負担を強いることが目的。
    • 三玖、料理対決で二乃に敗北。二乃はケーキ屋、三玖はこむぎやでバイトすることに。
      • 「私の目的はフータロー(と同じ店で働くこと)じゃないから」(フータローに好きになってもらえる私になるんだ)(#9-69)
    • 風太郎、一花の唇が気になる(#9-69)。
      • 一花にバスの裏でキスを迫られており、その流れから誓いの鐘でキスをされたのが一花だと思っているため。しかし風太郎からすると、一花が自分にキスをする理由が思い当たらない(自分に好意があると思っていない)ので思い悩むことに。→ あれ(=誓いの鐘で滑ってキスをしたこと)は事故だ…しかしあの時のあいつ(=一花)はどう思って(キスをしようとしたのか?)…いやもう忘れよう。
    • マルオたちの裏の計らいで、五つ子と風太郎が3年1組に。(#9-69, #9-70)
    • 四葉が学級長に立候補、風太郎を学級長に推薦(#9-70)。
      • 四葉は、クラスの中で浮いている風太郎が凄い人だということを知ってもらいたくて風太郎を学級長に推薦する(#9-72)。普段の風太郎の性格であれば、学級長という面倒ごとは瞬殺するはずだが実際にはこれを受けている(=おそらく四葉からの推薦だっため)。
    • 三玖、誕生日プレゼントのネタにするため、風太郎に五つの願いを聞く。(#9-70)
    • 風太郎、バイトで失敗した二乃を励ます。
      • 「これまで勉強のことばかり考えてきた。家族以外の人間関係を全て断ち切って…だから初めてなんだ。誰かに告白されたのは。どう話せばいいかわからなかった。」(#9-71)
      • 「だがここで答えよう。俺はお前のことは…」「私がどれだけフータローを好きなのかちゃんと知ってほしいの」「覚悟しててね。フー君♡」(#9-71)
    • 五月、MAYに扮してアルバイト先に。二乃に速攻で暴かれる。(#9-71)
    • 四葉と風太郎、女子のうわさ話がきっかけですれ違うことに。(#9-72)
      • 以降の一連のやり取りで、四葉は風太郎に対する立ち位置をはっきりと宣言する一方で、風太郎の方は四葉を恋愛対象として意識し始めることになる。
        もともと風太郎と四葉は、非常に仲の良い友達であり、教師/生徒の関係。付かず離れずの非常によい関係性(=お互いに好意を持っているが恋愛ごとには踏み込まないが故の心地よい関係性)がある。一連の会話を追いかけると以下の通り。
      • 「う、上杉さん…上杉さんは私のことをどう思ってますか? 私は上杉さんが嫌いです。ほ、本当ですからね! だからもう私に近づかない方が身のためです! でないと…たっ大変なことになります!」「俺とお前が付き合ってる!? あり得ないだろ」「で…ですよねー…」
        「恋ね…」「学業から…えー…なんでしたっけ?」「最もかけ離れた愚かな行為…と思ってた…だが。あそこまで真剣な気持ちを前ほど馬鹿にする気も起きないな。」
        「ま、まさかの本当に私のことを!?」「ねーよ」
      • 風太郎からすると、自分と四葉は教師と生徒という関係なので恋愛はご法度(=踏み込んではいけない)、故に「ねーよ」と即答(#9-77)。けれどもお互いを憎からず思っている関係だと風太郎は認識している。にもかかわらず四葉から...
      • 「ほら三玖とかどうですか~?」「! なぜそこで三玖…」
      • 他の子を推薦される=自分はあなたに興味がありません、というジャブを受けて、風太郎が軽いショックを受ける。そこにさらに追い打ちをかけるセリフが四葉から来る。
      • 「この先上杉さんにも好きな人ができるかもしれません。その時誰を好きになってどんな恋をしたとしても私は味方です。全力で応援します!」
      • 四葉が自分からフラグを折りに行く。
      • 「やっぱり上杉君と四葉ちゃんって…」「ないよ。ありえません。」
      • 風太郎はトイレで非常に複雑な表情をする(=お互いを憎からず思っているという認識だった四葉から、はっきりと恋愛対象として拒否られたことに軽いショックを受ける)。
    • この時点での風太郎の五つ子に対する認識を整理すると。。。
      • 一花:どちらかというとからかわれている。キスされた理由は謎だが、多分ハプニング。
      • 二乃:直球勝負で迫られており困惑、どうすればよいかわからない。
      • 三玖:バレンタインチョコや旅館での言動から、多分自分に好意があるはず。
      • 四葉:非常に仲のよい関係だと思っていたのにいきなり向こうから拒否られて困惑。
      • 五月:妙に意地になってぶつかってしまう幼馴染的な存在。特に意識はしていない。
  •    全国統一模試と風太郎の誕生日
    • 五つ子のアパートにマルオが武田君を連れて登場、全国模試 10 位以内を宣言する。
      • 「知らなかったんだ。世の中にこんな馬鹿共がいるってことを。俺がこんなにも馬鹿だったってことも。」(#9-73)
    • 風太郎、三玖の変装をノーヒントで見破る。(#9-74)
    • 一花、クラスメイトに女優であることがバレる。
      • 「…どうでもいいけどオーディション受けて良かったな。もう立派な嘘つきだ。」(#9-74)
    • 一花、三玖に変装して風太郎を篭絡しにかかる。
      • 「一花、フータローのこと好きだよ。すごくお似合いだと思う。私応援するね。嘘じゃないよ。」(#9-74)
      • 自分に好意を持っていると思っていた三玖から、一花との関係を応援すると言われて混乱。懸賞旅行の誓いの鐘の下でキスを迫ってきたのが一花だったと誤解していることから、このセリフを困惑しながらも真に受けてしまったものと思われる。
      • 風太郎の認識の変化を整理すると以下の通り。
        • 一花:実は自分に好意があった、キスを迫ったのも本気だったと解釈。
        • 二乃:直球勝負で迫られており困惑、どうすればよいかわからない。
        • 三玖:自分に好意があるはずと思っていたが実は勘違いだったと思い込む。
        • 四葉:非常に仲のよい関係だと思っていたのにいきなり向こうから拒否られて困惑。
        • 五月:妙に意地になってぶつかってしまう幼馴染的な存在。特に意識はしていない。
    • 一花、誕生日プレゼントで五つ子を出し抜こうとする。(#9-75)
      • 風太郎、図書館での勉強の合間の休憩で三玖と会話するがかみ合わない。「昨日のこと(=三玖から言われた一花の話)だけど」「明後日(=風太郎の誕生日)のことだけど」(#9-75)
      • 三玖との話がかみ合わなかったことや、直後に一花が割り込んできたことから、風太郎が昨日の三玖の正体が一花である可能性に思い至ってもよさそうなものだが、実際にはこのタイミングでは気付けていない。
    • 一花、二乃、三玖、四葉、相談して 4/15 の誕生日プレゼントを五羽鶴にすることに。(#9-75)
    • 誕生日、図書館で自習しているところに五月から栄養ドリンクの差し入れ。(#9-75)
      • 風太郎が五つ子に困惑させられまくっていることを風太郎が独白。整理すると以下の通り。(話の一番最初に四葉が来ており、地味にショックを受けている様子が見て取れる。)
        「…お前らのやることは本当に予測不可能だ。新学年になってから…
        四葉も… お互いに好意があると思っていたのに、急に三玖を推薦されて拒否られる
        二乃… → アルバイト先で特攻される
        一花ときて… → 三玖(に扮した一花)から一花がフータローを好きだといわれる
        …三玖も…」→ 自分に好意を持っていると思っていた三玖から一花を推薦される
    • 全国統一模試で武田と対峙(#9-76)。
    • 武田とブランコ。(まだ足りないか)(#9-77)
      • 『まだ』足りないか、という発言から、風太郎はここに何回か来ていると思われる。四葉を意識し始めている様子が見て取れる。
    • マルオと公園で会う(#9-77)。        
      • 「次の道を見つけてこその卒業。俺はあいつらの夢を見つけてやりたい。」「だが忘れないで欲しい。君はあくまで家庭教師、娘たちには紳士的に接してくれると信じているよ。」「も、勿論一線を引いてます! 俺は! 俺はね!
        頭でっかちな風太郎は、教師と生徒の恋愛関係はご法度だと(少なくとも頭では)思っている、というのがポイント。
    • 風太郎、意識的に五つ子との距離を取ろうとする(#9-77)。
      • (あの父親に念押しされてしまったからな…そうでなくても勘違いされないようにこいつらとの距離感を考え直すべきだ。)「なぜ避けるのですか…怪しいですね…」「ああ お前よくあんなに…あー…今日はもう勉強もできなさそうだし帰るわ。」
        風太郎、四葉のプレゼントに過剰に反応しかけてしまい、自制している。
    • 五月、理由をつけて風太郎に零奈(四葉)のことを暴露しようとする(#9-77)。
      • 「ではこうしましょう。あなたの隠し事を話してくれたら私も一つお話ししましょう。」「もう黙っていられないのです。こうでもしないと言えません…」
      • 「モテ期が来た。相手はあの二乃と一花だ。」「三玖じゃないのですか?」「いやあいつじゃねーよ。三玖と四葉は応援するとか言いやがる。俺にどうしろというんだ…」
        五月は、二乃と三玖と四葉が風太郎を好きなのは知っているが、一花が風太郎を好きなことに気づいていない。このために風太郎からの発言が理解できない。
    • 一花、五月が落とした風太郎と四葉の写真を見て、風太郎を落とす方法を思いつく。四葉、パン作りで頑張る三玖を応援することを決める(#9-77)。
    • 五月、零奈のことを言い出せずに思い悩む。「やっぱり言えない…京都のことも全て…こんなことなんて説明したら…」(#9-77)

修学旅行直前の状況を整理すると...

  • 五つ子の状況
    • 一花:二乃、三玖をライバルとして認識。四葉は昔のことを忘れていて風太郎に気がないと認識。京都で昔会った思い出の少女が自分であると切り出すことが、風太郎を落とす切り札になると思っている。
    • 二乃:一花、三玖をライバルとして認識。四葉、五月はノーマーク。直球勝負でアピールするも一向に振り向いてくれない風太郎へのさらなるアピールを考える。
    • 三玖:一花、二乃をライバルとして認識。四葉、五月はノーマーク。自分が好きなパン作りで頑張って、風太郎に振り向いてもらいたいと思っている。
    • 四葉:一花、二乃、三玖の気持ちを知っており、三人を等しく応援している。風太郎が誰を選んでも、全力で応援したいと思っている。
    • 五月:二乃、三玖、四葉の気持ちを知っている。一花が風太郎を好きなことには気づいていない。(母親役を演じているので)誰かを贔屓目にすることはないが、四葉と風太郎の誤解・すれ違いを解きたいと思っている。一方で、風太郎が零奈の過去の呪縛から脱却できていることに気付けていない。
  • 風太郎の五つ子に対する認識        
    • 一花:実は自分に好意があってキスを迫ったのも本気なのかもしれないと思うものの違和感あり。
    • 二乃:直球勝負で迫られており困惑、どうすればよいかわからない。
    • 三玖:自分に好意があるはずと思っていたが実は勘違いだったと思うものの違和感あり。
    • 四葉:非常に仲のよい関係だと思っていたのにいきなり向こうから拒否られて困惑。
    • 五月:妙に意地になってぶつかってしまう幼馴染的な存在。特に意識はしていない。
    • 零奈:すでに過去の人。感謝の対象。(※ 風太郎の認識は、思い出の少女=トランプをした女の子=今の風太郎のもとに現れた零奈。この 3 人が異なっているという認識はない。)

  • 京都修学旅行(#10-78~#10-86 シスターズウォー)
    • 修学旅行前                          
      • 四葉、パン作りを頑張る三玖を応援。班決めで三玖と一花の板挟みになるが、結局五つ子でひとつの班に。(#10-78)
      • 風太郎、らいはに五つ子からの誕生日プレゼントのお返しをしていないことを叱られる(#10-79)。修学旅行の記念写真集を作ることを思いつき、前田たちに五つ子の写真撮影を依頼(#10-86)。
      • 四葉、京都で会った写真の子の名前が零奈で、初恋の人であるとらいはと風太郎から聞いて動揺する(#10-79)。
        • 自分としては身を引くつもりだった四葉が、風太郎の初恋の人が自分だったと聞いて激しく動揺、封印した恋心を何度も引きずり出される(ブランコは四葉の揺れる恋心のメタファーになっている)。
        • なお、らいはや二乃は写真の子が初恋の人だと思っているが、風太郎が自認している初恋の人は竹林と思われる。(竹林に失恋して、要らなくなった自分のところに現れたのが写真の子である四葉、という構図。)
      • 五月、零奈に扮して風太郎に接触するがやり返される(#10-79)。        
        • 「こんなことしなくてもいつも会ってるだろ」「なぜ母親の名前を名乗った」「誰が誰とか…誰のフリした誰とか…もうたくさんだ。楽しい修学旅行にケチつけんな。しっしっ。」
        • 五月、風太郎の態度に動揺、「き、気にならないの? …私のことどうでも良くなったの?」(思った通りにいかない…しかし楔は打ちました)
      • 五月は四葉の気持ちを知っているため、風太郎になんとか京都のことを思い出して欲しいと思っているが、風太郎にとって、零奈はお守りを川に流してしまったときから過去の思い出になっている(=過去のことより今のことの方が大切になっている)。五月はこのことを知らず、風太郎にとってまだ零奈が重要な存在だと思い込んでおり、風太郎の心境の変化に全く気付けていない。
        なお、この時点では風太郎はまだ零奈の正体が五人のうち誰であるのかを特定できていない。修学旅行中に、一花が可能性から排除されたこと、零奈が母親の名前であることなどから、(特定には至らないものの)五月の可能性が高いと絞り込んだものと思われる。
    • 修学旅行初日
      • 三玖、早起きしてパン作り。(#10-80)
      • 四葉、トランプで勝利。(#10-80)
      • 伏見稲荷大社の山頂で揉めている一花、二乃、三玖、四葉の話を風太郎が聞いてしまう(#10-80)。
        • 「一花。私…そんなつもりで言ったんじゃないよ…それが本当にしたいこと?」「一花は邪魔をしようとしている。それは…三玖から上杉さんへの告白だよ」
      • 二乃、逃げ出した三玖を風太郎に追わせるが、三玖は五月と共にバスに乗り、その後ホテルへ。(#10-81)
      • 四葉と風太郎もバスへ(#10-81)。一花を応援していた三玖が、一花の変装であったことを確信する。
        • 「まぁ知ってたがな。み、三玖が俺に…好意を抱いてくれてたことだ」「まぁ色々あったからな」「あの三玖はあいつじゃねー。間違ってなかったんだな。」
      • 風太郎、他の姉妹を気にしすぎる四葉へ踏み込む(#10-81)。
        • 「だから気にすんな。お前は人に気を遣いすぎだ。ハッキリ言って度が過ぎている。」「それはいいんです。姉妹の皆が私より幸せになるのは当然です。」
        • 「上杉さん、皆が幸せになる方法ってないんでしょうか?」
        • 「現実的には…誰かの幸せによって別の誰かが不幸になるなんて珍しくもない話だ。競い合い奪い合い、そうやって勝ち取る幸せだってあるだろう。」「そんなこと言ったら私のできることなんて…」「何もない。限度があるんだ。」
        • 「おこがましいことなんじゃねーの? 全てを得ようなんてな。何かを選ぶ時は何かを選ばない時。いつかは決めなくちゃいけない日がくる。いつかはな。」
        • 一連のセリフは、風太郎が四葉のことをずっと真剣に考えていたが故に出てきた言葉であると同時に、作品全体に対する伏線になっている。風太郎は、他の姉妹を傷つけることを覚悟したうえで四葉を選択する。その一方で、四葉は風太郎と姉妹の絆の両方を取っている。
      • 四葉と風太郎、一日の残りを一緒に過ごす。四葉、楽しい修学旅行にするために全力で頑張る(#10-81)。
        • 実は林間学校と同様で、修学旅行でも四葉と非常に長い時間を一緒に過ごしている。コミックの見た目のコマ数・ページ数と、実際の時間の違いに注意。
      • ホテルにて、二乃・四葉・五月の悲鳴で、風太郎と一花が出くわす。一花、風太郎に三玖の話を聞いてあげて欲しいと伝える(#10-82)。
      • 二乃、三玖に電話。二人で話をしたいと申し入れる。(#10-81)
    • 修学旅行 2 日目
      • 二乃、三玖に変装して仮病でホテルに。二乃、三玖に風太郎へのアタックを宣言しつつ、三玖を励ます(#10-82)。
        • 「あとは一花を倒すだけね。あの女狐め…どうしてやろうかしら。ってことで、私がフー君をもらってく。それでいいわね。」「それでも…私はあんたをライバルだと思ってたわ」「五つ子よ。あんたも可愛いに決まってんじゃん!」
      • 四葉と五月、清水寺へ。三玖に会うために四葉たちを追ってきた風太郎と会う。
        • 「ああ、三玖に用があってな。お前らと一緒にいると思ったんだが」「三玖ならここにはいません。まだ体調がすぐれないようでホテルで休んでいます」(#10-82)
        • この五月のセリフは、その後に現れる三玖(正体は一花)を暴くためのヒントになっている。
      • 五月、昔と同じツーショット写真を撮ろうとする(#10-82)。
        • 「そういやあの写真もここで撮ったんだったけ。それからあの売店であの子がお守りを五つも買って…ああ、あれは川で流れていったっけ…そうか……!」
        • 風太郎が気付いたのは、零奈の正体の見分け方。零奈の正体の子は、自分から零奈であるとは名乗らないが、それ以外の姉妹は、こちらからお守りを持っているかを聞けば正直に答えてくれるはず。故にお守りを持っているかどうかを聞いていけば、自ずと零奈の正体を絞り込める、という判断方法に気付く。
      • 四葉、風太郎にちょっかいをかける五月の挙動を不審に思って訪ねる。「五月…何か私に隠してる?」(#10-82)
        • 四葉が五月の行動に勘付き、五月をマークするように。五月は修学旅行 3 日目の映画村で、零奈に変装して風太郎に接触しようとするが、それを未然に四葉が防いでいる(#11-90)。
      • 三玖に変装した一花、四葉と五月の隙を突いて清水寺に来ていた風太郎を引っ張って連れていくが、風太郎に変装を見抜かれる。(#10-83)
        • この後の一連の会話では、嘘と本当が入り乱れる形になっている。一花が積み重ねてきた嘘により、一花が本当に伝えたかった真実が、風太郎から嘘と断じられる結果になっている。少し細かく追いかけてみると以下の通り。
        • 「ここは…」
          「来たことあるでしょ?」
          「ああ…小学生の頃にな。」
          「小学生の頃?」
          「あの日のことは今でも思い出せる。俺はあの日、あの子…零奈に振り回されるがまま辺りを散策した。俺を必要と言ってくれた彼女との旅が楽しくないはずがない。気が付けば陽は落ち夜となっていたんだ。」
          ↑ この正体は四葉
          「それでどうしたの?」
          「学校の先生が迎えに来てくれることになったんだ。零奈が泊まってた旅館の空き部屋で待たせてもらった。そこではトランプしてたっけ。担任にはこっぴどく叱られたがな。今となってはいい思い出だ。」
          ↑ この正体は一花
          「その子は…」
          「もういいだろ」
          「え?」
          「お前に何か意図があるのではと思い話しただけだ。だがもうめんどくせぇ。お前に付き合うのもここまでだ。三玖…いや、一花。」
          「え…? えっ、ちょっとなんで急に」
          「勘」
          「ええっ」
          「これまでの状況を考えたらな、お前の可能性が一番高い」
          ↑ 三玖から好意を寄せられていることが正しい場合、#9-74 で三玖に扮していた可能性が高いのは一花
          「ち、違うから外れ! 残念でした!」
          ↑ このセリフは嘘
          「それに、お前らのミニコーナーに付き合う義理もない。ほら、正解だ。」
          「……っ」
          「このタイミング…先日学校の廊下で会った三玖の正体もお前で間違いないな?」
          「あ、あれは私じゃ…」
          ↑ このセリフは嘘
          「なぜ俺にあんな嘘をついた」
          「さっきの話…フータロー君は知ってるんじゃない? 六年前のその子が私たちの誰かだって…」
          「…ああ。」
          「…私だよ。私…私だよ…。私たち六年前に会ってるんだよ…嘘じゃないよ…信じて…」
          ↑ このセリフは本当
          「……六年前、俺とここで買ったお守りを覚えているか?」
          「えっ、うん! 今でも持ってるよ。忘れるわけないよ…」
          ↑ このセリフは本当
          「嘘、なんだな。」
          ↑ 風太郎の視点からすると、一花が思い出の少女=零奈であったのなら、今そのお守りを持っているはずがない。よって自分が零奈だという一花の言葉を嘘だと断じている。
        • 風太郎は、思い出の少女=トランプで遊んだ少女=自分のもとに現れた零奈だと思い込んでおり、そのために、一花のセリフの中に含まれている真実に気付けていない。今まで嘘を重ねて姉妹や風太郎を欺き続けてきた彼女への最大の罰として、一花が一番伝えたかった真実が、風太郎からすべて嘘だと断じられる形になっている。
          風太郎が一花を断罪したのは、一花の変装によって振り回され混乱させられたと思っているため。風太郎の立場からすると、(五月に変装されて)懸賞旅行の車の影でキスを迫られ(← これは真実)、誓いの鐘の下でキスされ(← これは誤解)、(三玖に変装されて)一花との関係を応援するという偽情報を伝えられて混乱しており(← これは真実)、振り回された不満がここで爆発。実際には風太郎は一花に怒りをぶつけた後になって冷静になっており、映画村で一花に詫びようとしている。
          一花とのやり取りの醍醐味は、嘘と本当が入り乱れることによるすれ違いであり、その真骨頂ともいえるのがこのシーン。
      • 土砂降りになり、全員いったんホテルへ。一花、廊下で風太郎たちが E コースを選択する話を聞きつける(#10-83)。
        • 風太郎が E コースを選択したのは、一花が来るだろうと考えたこと、一方的に一花を断罪したことについて一花に謝るため(#10-86)。
      • 風太郎、五つ子が揉めている様子を見咎める。五つ子、翌日のコースをバラバラに選択(#10-83)。一花、E コースを選択するが、三玖にお願いして D コースと入れ替え(#10-84)。    
    • 修学旅行 3 日目
      • 風太郎と三玖、映画村へ(#10-84)。一花、二乃、四葉、五月も映画村へ。
        • 映画村へ向かった理由はそれぞれで異なる。一花と二乃は三玖のサポートのため、五月は零奈に扮して風太郎に仕掛けるため。四葉は五月の行動を監視し、必要に応じて止めるため。
      • 五月、零奈に扮して風太郎に接触しようとするが、四葉に止められる(#11-90)。
      • 二乃、風太郎と自然体で仲良くしている三玖を見て、自分に勝ち目がないことを痛感する。
        • 「ふーん…お似合いじゃない。」「譲ったわけじゃないんだから…」(#10-85)「一花…私ね…あの二人が一緒にいるのを見ていてもたってもいられず気付いたら飛びついてた。」(#10-85)
      • 三玖、風太郎の話を聞いて、初めて風太郎のことを知らなかったことを知る。        
        • 「でもいいんだ。最後にフータローと過ごせた。それだけで。」「お前の努力。それだけは味わえた。頑張ったな。」「こんなに一緒にいるのにそんなこと全然知らなかった! ずっと自分のことばかりで知ろうともしてなかった。もっと知りたい。フータローのこと全部! そして…私のことも全部知ってほしい。
          ここで、三玖がようやく教師/生徒(=与えるもの/与えられるもの)という関係性から脱却する。
      • 三玖、風太郎に告白。「好き。」「ああ。知ってるぞ。」(#10-84)
        • 一花による計略(三玖に変装して一花との関係を応援するといわれたこと)で、三玖から好意を寄せられているのか自信が持てなくなっていたが、それがわかったことにより、三玖の告白に対して自信をもって回答。
        • 四葉、自分の空回りに気付く(#10-85)。「私…全員が幸せになってほしくていつも消極的になってる子を応援してたのかも…こうなるって少し考えたらわかるはずなのに…だから一花の本当の気持ちに気づいてあげられなかった。だからごめん。」
        • 一花、二乃が仲直り。「でも同時に己の愚かさにも気づいたの。あんたもそうなんじゃない? 三玖は最後まで…一花は悪くないと言ってたわよ。」「抜け駆け、足の引っ張り合い。この争いにはなんの意味もない。私たちは敵じゃないんだね。」「これが最後だなんて言わないで、三玖に謝りましょう。きっと前より仲良くなれるわ。私たちにしては珍しく同じ好きなものを話せるんだもの。」
      • 風太郎、三玖にはっきりと答えを返そうとするが三玖にかわされる。
        • 「やっぱり私は家族の皆が好き。」「ん? もしかして…自意識過剰くん」「いいんだよ…私は誰かさんみたいに勝ち目もないのに特攻するほど馬鹿じゃない。それに…フータローも思ってるほど鈍くないから。」(#10-86)
      • 一花、風太郎と会話。三玖の件で迷惑をかけたことを謝ると同時に、風太郎も言い過ぎたことを謝る。「なーんてね。全部嘘だよ。全部。」(#10-86)
        • 一花が風太郎や姉妹を騙った自分への罰として、風太郎にどうしても伝えたかった真実をも丸ごと全部『嘘』として封印することを選択する。
    • 修学旅行後
      • 風太郎、零奈を呼び出して、作った修学旅行のアルバムを誕生日のお返しとして渡す(#10-86)。
        • 零奈を呼び出したのは、ショッピングモール(#10-79)では最後まで言えなかった感謝の言葉を零奈に伝えるため(修学旅行のアルバムを渡すだけなら零奈を呼び出す必要はなく、五人に直接渡すだけで済む)。
          この時点では、すでに零奈の正体が五月であるとアタリをつけており、五月に頼む形で零奈を呼び出したものと思われる(これにより他の四姉妹に気付かれることなく零奈を呼び出している)。零奈の正体を見抜くヒントになっているのは、修学旅行中に一花が可能性から排除されたこと、零奈が母親の名前であること、ショッピングモールで出会った状況から四葉の可能性が排除されていることなどと思われる。
          風太郎が零奈に感謝の言葉を伝えたことによって、風太郎にとって零奈の存在がいよいよ完全に過去のものになる。これによって五月に打つ手がなくなってしまい、五月は直接、四葉に食い下がることに。
      • 身を引く覚悟を決めている四葉に対して、風太郎の誤解を解きたい五月が食い下がる。
        • 「ですが…打ち明けるべきです。六年前、本当に会った子はあなただったと。」
        • 「ううん。これでいいんだよ。」(#10-86)
        • 過去の思い出が感謝の念に昇華している風太郎、姉妹に対して身を引く覚悟を決めている四葉とは違い、五月のほうは、四葉と風太郎の関係を誤解やすれ違いで終わらせるべきではないと思っている。
        • 太郎は結婚式で四葉に言われるまで、思い出の少女=トランプの少女=零奈=五月だと思い込んでおり、実は結婚式の後になって初めて思い出の少女が四葉だったことを知る。つまり、風太郎が四葉を選んだ理由は、四葉が思い出の少女だったからではない。
  • 夏休み
    • 直前
      • 三玖が料理学校に進学する意志を固めて、二乃・四葉・五月に打ち明ける(#11-90)。
      • 身を引こうとする四葉に五月が重ねて食い下がる(#11-90)。「四葉…本当にこのままでいいのですか?」「…これまで上杉さんと向き合ってきたのは三玖たちだもん。今更私の出る幕はないよ。」「いいえ! 四葉だってずっとずっと彼のそばで見続けていたじゃないですか。誰だって自分の幸せを願う権利はあるはずです。」「五月。もう言わないで。つらい役を任せちゃってごめんね。」「上杉さん。風太郎君。好きだったよ。ずっと。」(#11-90)
    • 海遊び/アパート退去
      • 風太郎、夏休みに入り、五つ子と距離を取る。らいは、風太郎の布団の下から高校生のための恋愛ガイドを見つける(#11-91)。
        • 自分の気持ちと五つ子の気持ちを理解する・知るために本を読んでいる。恋愛心を本を読んで理解しようとするあたりが、勉強一辺倒の風太郎らしい頭でっかちさともいえる。
      • 店長が骨折でバイトが休みに。(#11-91)
      • クラスのメンバーで海へ遊びに。五つ子は引っ越し日と重なって遊びに行けず。(#11-91)
        • 「上杉君も楽しそうでよかったよ。」「え…俺楽しそうだったか?」「うん、そう見えたけど違った?」
        • 「数年ぶりに海に来て、お前らやクラスの連中と盛り上がれて楽しかった…それも事実だがどこか足りないと感じちまったんだ。」「あー、くそ、あいつらもいたらもっと楽しかったんだろうな。」(#11-91)
      • 夜、風太郎が五つ子にプールに遊びに行くことを提案。
        • 風太郎は、五つ子の先生として教師と生徒の関係を貫いているつもりだったが、五つ子のいない海で物足りなさを感じてしまったことから、自分も高校生として青春の中にいることに気付いてしまう。→「今しかできないことをお前たちとしたいと思った」(#11-95)
    • ジャイアント海水プール
      • 五月、他の四人の様子に困惑しつつも風太郎に対して一番動揺(#11-92)。
        • 一番過去を引っ張って束縛されている・変化を避けているのは五月。母親役として四人に接したり、風太郎に四人と真面目に向きあうことを期待する一方で、自分が風太郎に向き合おうとすると激しく動揺する。
      • 風太郎、五月からアドバイスされる。        
        • 「二乃も三玖もどうかしてる。こんな俺を選ぶなんてどうかしてるという意味だ。」「いつだったかお前に相談した時となんら変わっていない。問題を先送りして思うがままにこんな所へ誘ってしまった。」
          いつだったか = 全国模試の後で、一花と二乃から好かれているという話をしたとき
          問題を先送りにして = 相手に対してはっきりした答えを返さずに
          思うがまま = 五つ子と遊びたいと思うがまま
        • 「もっと本を読んで早急に自分の気持ちを見つけ出さなければ…」「あなたは相変わらず頭でっかちですね。私も姉妹の気持ちを知ろうと色々調べていたからわかるんです。結局この世は教科書だけではわからないことだらけでした。今日のようにあなたの思うがままにしたらいいのではないでしょうか。あれこれ考えるよりやってみてわかることもあると思いますよ。」(#11-92)
          風太郎は「頭で考えている」から自分の気持ちがわからず誰も選べない。学園祭の最初のタイミングでは『誰も選ばない』という選択を「頭で考える」ことによって導き出しているが、一花に叱責され、初めて四葉に自分の手を受け入れられたことで、自然と四葉を選ぶという選択に至っている。
      • 命日前日・店長お見舞い(8/13)~母親命日 (08/14)
        • 二乃と風太郎が店長のお見舞いへ。マルオに会うが、すぐに行ってしまう。(#11-93)
          実際にはこの直後または翌朝に、マルオは零奈の墓参りに行っている。
        • 風太郎、二乃に零奈のお墓に備える花を渡す。(#11-93)
        • 母親命日に五つ子でお墓参り(#11-93)。一花が仕事に専念して 9 月からの長期ロケを受けるために学校を中退するつもりでいることを四人が知る。
      • 一花の中退        
        • 一花、退学届けを提出。風太郎、退学ではなく休学を提案するが、一花に断られる。風太郎、三玖のこむぎやのアルバイトを増やす(#11-94)。
        • 一花、四葉を呼び出して、修学旅行の記憶があるかを尋ねる(#11-95)。            
          • 「四葉は覚えてる? ううん。フータロー君のこと。」「やっぱり覚えてたんだ。フータロー君のこと。それなら謝らなきゃいけないね。ごめん。あの時 四葉かどんな気持ちで慰めてくれたのか私にはわからなかった。お姉さん失格だね。」
          • 「本当に辞めちゃうの? 私を独りにしないでくれたのは一花たちじゃん。一花が辞めるなら私も」「それはよしなよ。」「四葉。四葉は四葉の本当にやりたいことを探しな。」「…私の…」
          • あの時=懸賞旅行の屋根上での会話(#8-66)。そのときの「一花だけ我慢しないで。したいことしてほしい…かな!」のセリフを、逆に送り返す形になっている。四葉はこのセリフがきっかけになって、風太郎を意識し始めてしまう。
        • 風太郎、一花の事務所に行き、一花を引き留める(#11-95)。
          • 「違うでしょ。感謝してるんだって。あの時フータローを雇いなおせたのは一花が仕事をしてくれてたおかげ。その恩返しがしたいんだって。」「この前な、クラスの奴らと海に行ったんだ。俺が今まで不要と切り捨ててきたものだ。だがきっとあんなことができるのは今しかない。」「今しかできないことをお前たちとしたいと思った。その中には当然お前も含まれている。
          • 勉強一辺倒で、他のことすべてを切り捨ててきた風太郎の心境の変化が明確にこのセリフに現れている。
        • なお、一花は退学ではなく休学を選んでいるが、その後、ドラマの主演を演じることになり(#14-120)、(おそらく出席日数不足から)高校を卒業できず、結局、中退する形になっている(#14-121 の卒業式の写真で、一花が一人だけ卒業証書を持っていない)。

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